詩人・北園克衛のトリビュートイベントが福岡で開催。独自の空間認識の真髄に迫る
前衛詩人・北園克衛の代表作「単調な空間」をモチーフとし、音楽、映像、写真の各分野のアーティストが参加するトリビュートイベント「oF -Katsue Kitasono-」が、10月29日に福岡アジア美術館で開催される。
北園克衛(1902〜78)は、大正末期から昭和初期に活動した詩人。写真やデザインなどにも造詣が深く、編集者でもあった北園は、単に詩を書くだけに留まらず、文字がどのように配置されて読まれるかまでを追求し、詩作を行った。
「oF -Katsue Kitasono-」では北園の代表作『単調な空間』(1959)をモチーフに、立花ハジメ、河村康輔、吉田志穂など、電子音楽、メディア・アート、写真などを手がける14名の作家が展示やパフォーマンスを行う。言葉の意味よりもむしろ言葉や文字の形状やパターンを重視した「実験」と呼ばれる詩群のなかの一編であるこの詩を通して、北園の空間認識の真髄に迫る試みだ。
本イベントは、福岡アジア美術館での開催の後、12月には韓国・ソウルにて、同じコンセプトのもと日本と韓国の7名の作家がタッグを組むライブイベントとして開催される予定となっている。