ジバンシィ所有のジャコメッティ、クリスティーズでセールへ
クリスティーズは、3月6日にファッションデザイナー、ユベール・ド・ジバンシィ所蔵のディエゴ・ジャコメッティ作品のオークションを開催すると発表した。オークションに先立ち行われる下見会は、1986年にパリの装飾芸術美術館で開催されたジャコメッティ回顧展にインスピレーションを得たものとなるという。
ディエゴ・ジャコメッティ(1902〜1985)は、主にフランスで活動した彫刻家のアルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)の1つ違いの弟で、彫刻をはじめ、数多くの家具を製作したことで知られている。今回出品されるのは、83年に製作された古色ブロンズ製八角形テーブル「カリアティード」(予想落札価格=各80万〜120万ユーロ、約9741万〜1.4億円)や、古色ブロンズ製スツール4脚(予想落札価格=30万〜50万ユーロ、約3635万〜6088万円)など全21点。
73年に製作された2羽の鳥がついた薪載せ台一対(予想落札価格=15万〜20万ユーロ、約1826万〜2435万円)や、ジバンシィがお気に入りで多く発注したという鹿のモチーフをあしらった一対のキャンドルホルダー(予想落札価格=10万〜15万ユーロ、約1217万〜1826万円)など、動物をあしらった作品の数々もリストに入っている。
このセールに対してジバンシィは「彼は非常に親切で気さく、控えめであり、そしてどこまでも才能豊かな人でした。(中略)今回のオークションを通して、彼にオマージュを捧げたいと思っています。彼には今さら評価など必要ありませんが、これは私の心からの想いなのです」とのコメントを寄せている。
奇しくも今夏、国立新美術館(東京)では兄のアルベルトの大回顧展「ジャコメッティ展」(6月14日〜9月4日)が開催される今年。本セールの行方にも注目したい。オークションは3月6日にパリのクリスティーズで開催。下見会は2月28日から3月4日まで行われる。