ミニマルなストライプの中に
自然の息吹と記憶を描き出す。
コーネーリア・トムセン、
3年ぶりの個展が加島美術で開催
旧東ドイツに生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動しているコーネーリア・トムセンの日本では3年ぶりとなる個展が、2018年6月2日〜16日の会期で東京・京橋の加島美術で開催される。トムセンの代表作である「Stripes」シリーズの新作、銅版油彩画も日本で初公開。レセプションでは作家本人によるギャラリートークも開催される。
1970年、ルドルシュタット(旧東ドイツ)生まれのコーネーリア・トムセンは、ドイツのアカデミー・オブ・アート・アンド・デザインで学び、マイセン窯にて絵付師として働いた経歴をもつアーティストだ。現在はニューヨークを拠点に活動。欧米を中心に個展やグループ展を開催しており、その作品はロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)などに所蔵されている。
そんなトムセンの3年ぶりとなる日本での個展「コーネーリア・トムセン展 ―Stripes and Structures Ⅱ―」が、東京・京橋の加島美術で開催される。
トムセンの代表作である、様々な色合いのストライプを描いた「Stripes」シリーズ。パターン化され、ミニマルな色調で配された作品は一見無機的に見えるが、繊細に描かれたその線のなかに、自然の暖かさや息吹がリズミカルに表現されている。トムセンは「表層の精密さ、多様なトーン、そしてリズムを刻むようなパターン。私の作品はこれらの要素を観る方の意識に訴えかけるように組み合わせ、構成されている。私たちの周囲にある物質的環境に応えるように、光や空間の要素を統合し、私は自身が触れてきた自然世界をそのまま描くのではなく、喚起しようとしているのです」と語り、作品が表現する自然の景観と、作品を見る人の記憶にある景観とが結びつくことを期待している。
また、近年は銅版油彩画の制作を手がけているトムセン。本展では、無機物を支持体にしながら有機的な画面を描き出すという、トムセンにとって新境地となる作品が日本初公開される。新しい素材と向き合い、表現を広げていく様子がうかがえる作品30点が展示される。
3年ぶりとなる個展で、新たな試みを見せるトムセン。本展のレセプションでは本人によるギャラリートークも開催され、創作にかける想い、「Stripes」シリーズを生み出す背景などが語られるという。なお、その模様は後日ウェブサイトやギャラリー内で公開予定なので、合わせて注目したい。