会場構成も一新。「3331 ART FAIR 2020」のここに注目
2013年にスタートし、今年で9回目を迎えるアートフェア「3331 ART FAIR」が、3月18日〜22日の会期で行われる。会場構成を一新した今回の見どころとは?
日本にあるいくつかのアートフェアのなかでも、独自の存在感を放ってきた「3331 ART FAIR」が、今年9回目の開催を迎える。
「3331 ART FAIR」がスタートしたのは2013年。アーツ千代田 3331を会場に、「芸術性と市場性を問う」オルタナティブなアートフェアとして、作品購入で賞を授与する「コレクターズ・プライズ」や、個展開催をバックアップするレコメンドアーティストなど、オリジナリティあふれるシステムで毎回注目を集めてきた。
そして今回。同フェアは会場構成を一新し、地下1階から屋上まで全フロアを現代美術で埋め尽くす。
50名を超える多様なアーティストの競演。「Selection-GYM」
まずポイントとなるのが、「ギャラリーブース」と「推薦作家によるグループ展形式のフェア会場」の入れ替えだ。これまで、1階メインギャラリーで展示されていた推薦作家によるグループ展形式のフェア会場は、「Selection-GYM」として2Fの体育館へ移動。荒木夏実(東京藝術大学准教授)や飯田志保子(キュレーター)、小金沢智(太田市美術館・図書館学芸員)、高橋瑞木(CHAT共同ディレクター)、中村史子(愛知県美術館学芸員)といったキュレーター陣と3331に入居するギャラリーらによって選出された、約50名のアーティストの作品が並ぶ。
またこの「Selection-GYM」では、美術系大学もブースを出展するほか、”3331 Select”として、佐藤直樹、スプツニ子!×西澤知美、O JUN、小林正人、鈴木理策らの作家の作品も特別出品される。
独自の視点で活動する27団体が参加。「Galleries - 1F」
前回までは体育館で展開されていた国内外のギャラリーによるブースは、1階にあるメインギャラリーに場所を移す。
Art Center Ongoingやアサクサなど、コマーシャルギャラリーのみならず、オルタナティブスペースやアーティスト・コレクティブ、工房など、様々なブースが出展。絵画、彫刻、ドローイング、写真、映像など、幅広い価格帯の作品が並ぶという。なお今回は、台湾のGalerie Grand Siècleや韓国の:b artsなど、アジア圏からの参加ギャラリーにも注目したい。
屋上には大型インスタレーション。「Selection - ROOFTOP」
3331 ART FAIRの大きな特徴である屋上(元校庭)を使った展示は、今回も継続される。
インディペンデント・キュレーターの青木彬がキュレーションする今回は、遠藤薫や齋藤恵汰、中島晴矢ら6作家が参加。大型作品やインスタレーション、 パフォーマティブな要素も組み込んだ企画が予定されている。
このほか、地下1階・2階では、館内の廊下沿いに立ち並ぶ入居ギャラリーが、所属アーティストによる作品を展示・販売。アートフェアとともに、それぞれ異なるコンセプトやアプローチによる展示も見逃さずチェックしたい。
なお、サテライト会場のNOHGA HOTEL 上野では、村山悟郎の特別展示が決定。展示スペースに合わせた新作を発表する。3331から少し足を伸ばして、こちらも訪れてみてほしい。