都内の空き店舗が創作スペースに。「START Box」が利用アーティストの募集開始

　アトリエ等を確保することが難しいアーティストに創作場所を提供し、継続的な活動を支援する東京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団の事業である「START Box」。その利用アーティストの募集が始まっている。

 「START Box」は、昨年4月に水道道路沿いの都営住宅の空き店舗を活用した創作スペース「START Box ササハタハツ」が、同年11月にはお台場の公社住宅の空き店舗を活用した創作スペース「START Box お台場」がオープン。これまで23名が利用してきた。ここでの活動をきっかけに、海外の展覧会やコンクールで活躍しているアーティストもいるという。

　START Box ササハタハツは渋谷区笹塚・幡ヶ谷にあり、短期利用（80日）と長期利用（168日）が可能。料金は、1ヶ月（30日）に換算すると1万4700～1万6800円のため、都内では破格の家賃で個室の創作スペースが借りられる。また、アーティスト同士が交流できるスペースも利用可能。

　START Box お台場は、お台場海浜公園駅から徒歩3分にあり、57平米の広いスペースが特徴。都内では貴重な、グループ（6名まで）での利用や大型作品の制作も可能となっている。駐車場の中にあるため、制作時の音も問題ないとのこと。利用は168日間で19万9920円（※分割払い可能。30日換算で、3万5700円）。

　START Boxは創作として利用できるだけでなく、アーティストによるオープンアトリエなどを定期的に開催し、アーティスト同士や地域住民と交流する機会が設けられるのも大きな特徴。また、都が共催する文化イベントなどでSTART Boxで活動するアーティストが制作した作品の発表の場も提供しており、昨年10月には「MEET YOUR ART FESTIVAL 2023」において、START Box ササハタハツで活動するアーティストの作品が展示された。

　実際に利用したアーティストからは、以下のような声も寄せられている。

とくに場所の利便性が良かった。自身の日常の活動エリア内にアトリエを持つことで、普段なかなか行うことができない素材の実験などができて有意義でした。

スタッフやアーティスト、地域住民との交流機会があることで、外に開かれた状態が担保されていたと思う。その風通しがいい緊張感を生み、制作にもいい刺激を与えてくれた。

この様な機会は初めてだったが、サポートがしっかりありながら、イベント以外の期間は遠くから見守られている、ほどよく好きにさせてもらえる感じがとてもよかった。

一人で借りることは防犯面や精神面で心細いが、管理人がおり、さらに隣の区画に顔見知りのアーティストがいることが安心に繋がった。

ここまで備品やサポートのあるアトリエは他に見ないので、もっと広がって欲しいと思った。

　これを読んで少しでも興味を持ったアーティストは、ぜひ積極的に応募してほしい。