建築物がキャンバスに。湊茉莉の日本初個展がメゾンエルメス フォーラムで開幕
現在、パリを拠点に活動を行うアーティスト・湊茉莉。その日本初個展「うつろひ、たゆたひといとなみ」が、東京・銀座のメゾンエルメス フォーラムで開幕した。
建築家のレンゾ・ピアノが設計を手がけた銀座のメゾンエルメス フォーラムは、大通りにまばゆく映えるガラスブロックのファサードが特徴のひとつ。現在このファサードが、色鮮やかな絵画作品《Utsuwa(器)》へと変貌している。
ファサードへのペインティングを行ったのは、アーティストの湊茉莉(みなと・まり)だ。1981年京都府に生まれた湊は京都市立芸術大学と大学院で日本画を専攻後、パリ国立高等美術学校に留学。
現在もパリを拠点に活動を行う湊の個展「うつろひ、たゆたひといとなみ」が、メゾンエルメス フォーラムで開幕した。
人類の文明に深く関わる「器」の普遍的な存在と、時間や光の変化と共存しながら周囲の環境を受け入れていくガラスの建物のイメージから着想を得て描かれた、ファサードの《Utsuwa(器)》。
そしてギャラリーの中では、黄河文明からメソポタミア、エジプト、イスラムといった異なる文明や文化で重要な役割を担っていた、いくつかのモチーフに焦点を当てた作品が展示されている。
会場では、複数枚のパネル、銀箔、アルミ箔、消石灰からなる作品《ツキヨミ》も展示。これは、京都の皇室関連施設「桂離宮」から着想を得た作品だという。
ファサード、ゆったりとした天井高など、建物の特徴を最大限に生かした今回の展示。建物の内外で変化する時間や光の流れを体感してほしい。