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2020.9.12

「佐賀町エキジビット・スペース」とは何だったのか。群馬県立近代美術館で回顧展が開幕

1983年に開設され、2000年に幕を閉じるまで、17年にわたって日本の現代美術を定点観測してきた東京・江東区の「佐賀町エキジビット・スペース」。その姿を回顧する展覧会「佐賀町エキジビット・スペース 1983-2000 現代美術の定点観測」が、群馬県立近代美術館で始まった。会期は12月13日まで。

展示風景より、佐賀町エキジビット・スペースの模型と写真
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 日本初のオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」をご存知だろうか。

 世界のアートシーンでは、1970年代にはニューヨークにPS-1が、80年代のドイツにはコレクションを持たない美術館「クンストハレ」が誕生するなど、新たなアーティストを生むインフラストラクチャーの開発が多く見られた。

展示風景より、手前は「佐賀町エキジビット・スペース」の看板

 そんななか、パルコなどの企画広告ディレクターであり、展覧会のキュレーションや「無印良品」の発案・立ち上げなどに携わった小池一子が、東京・江東区にあった食糧ビルの3階講堂を修復し、1983年に「佐賀町エキジビット・スペース」をオープン。「美術館でも商業画廊でもない」もうひとつの美術現場を提唱し、美術、デザイン、ファッション、建築、写真などジャンルの垣根を超え、アーティストに発表の場を提供した。

 今回、その姿を回顧する展覧会「佐賀町エキジビット・スペース 1983-2000 現代美術の定点観測」が、群馬県立近代美術館で始まった。会期は9月12日~12月13日。

展示風景より、過去の展覧会風景写真

 本展では、林雅之による全展覧会の会場風景写真のほか、同スペースに出展した作家(戸村浩、ジェリー・カミタキ、 端聡、駒形克哉、みねおあやまぐち、岡部昌生、野又穫、剣持和夫、吉澤美香、大竹伸朗、シェラ・キーリー、杉本博司、元慶煥、森村泰昌、堂本右美、滝口和男、ヨルク・ガイスマール、黒川弘毅、倉智久美子、立花文穂、オノデラユキ、白井美穂、岡村桂三郎、廣瀬智央、日高理恵子)の作品を展示する。

展示風景より、森村泰昌の作品群
展示風景より、右は岡部昌生《STRIKE-STRUCK-STROKE AT SAGACHO, SAGACHO EXHIBIT SPACE1927/1986/2020》(1986/2020)

 関わったアーティストは400人にのぼり、全106回の展覧会を開催した佐賀町エキジビット・スペース。本展では、その展覧会風景写真や図録・チラシ類のアーカイブとともに、日本の現代美術の軌跡をたどる。

展示風景より、廣瀬智史《マーレ・ロッソ》(1998)
展示風景より、アーカイブ資料