加藤泉のインスタレーションから90年代生まれのアーティストまで。「Oketa Collection: 4G」が開幕
桶田俊二・聖子夫妻によるOketa Collectionの一部を一般公開する展覧会「Oketa Collection: 4G」が、東京・南青山のスパイラルで始まった。スパイラルでは3回目となる「Oketa Collection」展。その見どころとは?
日本における現代美術のコレクターとして知られる桶田俊二・聖子夫妻。そのコレクションである「Oketa Collection」の一部を一般公開する展覧会「Oketa Collection: 4G」が、東京・南青山のスパイラルガーデンで始まった。会期は4月25日まで。
桶田夫妻は2019年以降、そのコレクションをスパイラルで定期的に展示しており、ここでは今回が3回目。昨年はそのコレクションを美術館で初めて本格的に公開する展覧会「The World:From the OKETA COLLECTION 世界は今:アートとつながる」を金沢21世紀美術館で開催し、話題を集めた。
今回の展覧会のタイトルにある「4G」とは4世代(Generation)を意味するもの。1960年代生まれの作家から90年代生まれの若手まで、13作家の作品が並ぶ。参加作家はジャデ・ファドジュティミ、五木田智央、花井祐介、平子雄一、井田幸昌、加藤泉、KYNE、松山智一、バリー・マッギー、アドリアナ・オリバー、ロッカクアヤコ、TIDE、山口歴。
展示は大きくわけてふたつ。エントランス左側には60年代から80年代生まれの作家が、右側には90年代生まれの作家たちが並ぶ。
なかでも白眉は加藤泉の作品群だ。胎児のような「人型」をモチーフに、絵画や彫刻を制作し続けてきた加藤。本展では、18年に原美術館で行われた個展「LIKE A ROLLING SNOWBALL」に出品されていた立体などを含め、吹き抜けの大空間を生かした展示が構成された。これだけの規模の作品を美術館以外で見る機会はそうないと言っていいだろう。
今回展示される作品は、Oketa Collectionとしてはほとんどが初公開。桶田俊二はコロナ禍で海外に行けない期間が続くなか、「国内の若手でも実力がある作家たちを見つけ、それを応援したい」という気持ちもあり、この展覧会を構成したという。
すでに国際的に活躍する作家から若手作家まで、「4G」の多様な表現に注目したい。