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青野文昭

Aono Fumiaki

 ⻘野⽂昭は1968年宮城県仙台市生まれ。90年代より一貫して「修復」をテーマとし、空き地や海岸などで拾った廃棄物を、その欠損部分や使われた痕跡を手がかりに「なおす」方法を用いて作品を制作。家具や自転車、日用品など異なるもの同士を接合・復元する過程で他者の記憶に向き合い、知識や想像力によって新しいかたちを与え、「もの」に宿る念を引き出すことを試みている。自身も被災者となった2011年3月の東日本大震災以降は、津波によって壊れ、傷ついたもの「なおす」ことに集中的に取り組む。17年開催の「コンサベーション_ピース ここからむこうへ part A 青野文昭展」では、戦前に祖母が暮らしていたという縁のある場所・吉祥寺の周辺で収拾活動を行い、地域全体の記憶を復元することに挑んだ。近年の個展に、「青野文昭展―総合的復元」(Gallery TURNAROUND、宮城、2020)、「青野文昭 -その思考の変遷を辿る- 1989~2019」(Gallery TURNAROUND、宮城、2019)、「青野文昭 ものの, ねむり, 越路⼭, こえ」(せんだいメディアテーク、 宮城、2019)。展覧会に、ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館、東京)などがある。