EXHIBITIONS
原田裕規「Shadowing」
広島のアートスペースTHE POOLは、原田裕規による個展「Shadowing」を開催している。
原田は1989年山口県生まれ。社会のなかで広く認知されている視覚文化をモチーフに、人間の身体・認知・感情的な限界に挑みながら、現代における「風景」が立ち上がるビューポイントを模索してきた。2019年以降は断続的にハワイに滞在し、独自に発展した「ピジン英語」に代表されるトランスナショナルな文化的モチーフを収集。また、2021年からはCG作品の制作を開始し、同年に金沢21世紀美術館で発表した、33時間に及ぶ長編CGアニメーション作品《Waiting for》が話題となった。
本展では、近年の作家による2つの取り組みが融合した新作《Shadowing》が初公開される。
《Shadowing》は、原田がハワイで知り合った日系アメリカ人たちをモデルに、最新のデジタル技術で制作したデジタルヒューマン/映像作品。作中の登場人物が語るのは、日系アメリカ人がハワイで代々語り継いできた「オバケ・ストーリー」だ。
本作では、ハワイ在住の日系アメリカ人がピジン英語で発音した音声を原田がシャドーイングし、その表情の動きをフェイストラッキングによってデジタルヒューマンが「シャドーイング」している。そのため、三者の声と動きにはつねにズレが挟まれることになる。いっぽうで、ピジン英語の音声とデジタルヒューマンの動きが時折重なった時、心を持たないはずのデジタルヒューマンに私たちは感情を読み取ってしまう。
原田にとって《Shadowing》は金沢21世紀美術館での《Waiting for》に続く1年ぶり・2作目のCGアニメーション作品となる。ソフトウェアの無償提供やスマホアプリ化などにより、近年民主化が進んでいるデジタルヒューマン/フェイストラッキング技術を用い、移民がもたらしたハワイの民間伝承を翻案することで、《Shadowing》はトランスナショナルな人間の生と「影」の関係を描き出している。
原田は1989年山口県生まれ。社会のなかで広く認知されている視覚文化をモチーフに、人間の身体・認知・感情的な限界に挑みながら、現代における「風景」が立ち上がるビューポイントを模索してきた。2019年以降は断続的にハワイに滞在し、独自に発展した「ピジン英語」に代表されるトランスナショナルな文化的モチーフを収集。また、2021年からはCG作品の制作を開始し、同年に金沢21世紀美術館で発表した、33時間に及ぶ長編CGアニメーション作品《Waiting for》が話題となった。
本展では、近年の作家による2つの取り組みが融合した新作《Shadowing》が初公開される。
《Shadowing》は、原田がハワイで知り合った日系アメリカ人たちをモデルに、最新のデジタル技術で制作したデジタルヒューマン/映像作品。作中の登場人物が語るのは、日系アメリカ人がハワイで代々語り継いできた「オバケ・ストーリー」だ。
本作では、ハワイ在住の日系アメリカ人がピジン英語で発音した音声を原田がシャドーイングし、その表情の動きをフェイストラッキングによってデジタルヒューマンが「シャドーイング」している。そのため、三者の声と動きにはつねにズレが挟まれることになる。いっぽうで、ピジン英語の音声とデジタルヒューマンの動きが時折重なった時、心を持たないはずのデジタルヒューマンに私たちは感情を読み取ってしまう。
原田にとって《Shadowing》は金沢21世紀美術館での《Waiting for》に続く1年ぶり・2作目のCGアニメーション作品となる。ソフトウェアの無償提供やスマホアプリ化などにより、近年民主化が進んでいるデジタルヒューマン/フェイストラッキング技術を用い、移民がもたらしたハワイの民間伝承を翻案することで、《Shadowing》はトランスナショナルな人間の生と「影」の関係を描き出している。