門田光雅「AS ALWAYS」

　TEZUKAYAMA GALLERYで、門田光雅の個展「AS ALWAYS」が開催される。

　門田は1980年静岡県生まれ、東京造形大学絵画専攻卒業。在学時から、絵画の地と図への関心や、伝統的なメディウムの限界の模索、 色彩と筆致の相対的な関係性に興味を持ち、今日まで絵画表現の新たな地平の探求を続けている。その一貫した姿勢の根底には、多様性が語られる現代にもまだ言語化や視覚化することができない問題への門田の深い考察が潜在しており、人間が抱える葛藤の多面性を、絵画の特性そのものに置き換えようとしている。

　本展では新作旧作を織り交ぜて、およそ20点の作品を紹介する。本展覧会に際し、門田は以下のステートメントを発表している。

「当たり前に佇むことすら叶わない『当たり前』があることを私は知っている。耐え難い苦しみや、抜け出しようのない不幸を、受け入れることは簡単ではない。ただそれでも、何かしらの意味と始まりがあること。すべての物事は、そのとらえ方によって変化することができる相対的なものであることを、私は幼い日に見たこの光景から学んだ。

　今日の美術も、デュシャンが男性用の小便器を横転させたことによって産声をあげたように、いままで見えていなかったものが見える瞬間はいつも、その根本が覆るときなのかもしれない。様々な葛藤と向き合い、色彩や筆致の絵画として、今日の制限や枠組みを越えるような表現の可能性を模索している。 倒れることもまた『いつもの』始まりであることを、私は知っています」（一部抜粋）。