EXHIBITIONS

東急 暮らしと街の文化ーー100年の時を拓く

2024.11.30 - 2025.02.02

田園調布を視察する人々 1921年 東急株式会社提供

 世田谷美術館で「東急 暮らしと街の文化ーー100年の時を拓く」が開催される。

 世田谷美術館ではこれまでに、資生堂(2007)、髙島屋(2013)、東宝スタジオ(2015)、竹中工務店(2016)とタイアップし「企業と美術シリーズ」を開催してきた。本展は「企業と美術シリーズ」の第5回となる展覧会だ。このシリーズでは、人間の暮らしと密接な関係をもつ企業活動のなかで蓄積された、様々な文化的な側面に光をあて、各企業が保管している多種多様な資料を、歴史的、社会的な文化資源としてとらえ、そこから日常の変化や展開、また社会の変遷を探る。

 世田谷区内には世田谷線、田園都市線、大井町線、目黒線が走り、区内に駅は所在しないものの東横線も世田谷区民にとっては大切な暮らしの路線であり、東急バスの各路線が面的に地域をカバーしている。東急の鉄道事業は、その多くが宅地開発と結びついており、その草創期は洗足、大岡山、田園調布の開発に根をおろし、戦後は多摩川を越えて、多摩地域の宅地開発へと結びついている。

 本展では、東急沿線に住んだ世田谷の美術家たちの仕事にも目を向け、さらに五島育英会、東急財団、五島プラネタリウム、五島美術館、電車とバスの博物館、Bunkamuraなどの社会的な事業も紹介し、それぞれが相まって、東京という大都市圏における生活基盤の整備に、どのようにコミットしてきたのかを探るものとなっている。