EXHIBITIONS

Osaka Directory 7 Supported by RICHARD MILLE

小松千倫

2024.11.16 - 12.15

小松千倫 Sucker 2023 撮影:竹久直樹

 大阪中之島美術館で「Osaka Directory 7 Supported by RICHARD MILLE 小松千倫」が開催されている。

 大阪中之島美術館では、関西・大阪21世紀協会と「Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE」を共同開催しており、2024年で3年目となる。「Osaka Directory 7 Supported by RICHARD MILLE」は、関西ゆかりの若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会だ。本シリーズを通して、将来活躍が期待される関西の若手アーティストの情報を美術館というディレクトリに格納、保管し、さらに、ここ大阪中之島美術館から彼らの活動を広く世に紹介し、世界に羽ばたくことを支援している。

 小松千倫は1992年高知県生まれ、京都府在住。音楽家、美術家、DJとして活動している。22年に京都市立芸術大学大学院美術研究科メディア・アート専攻博士後期課程を修了した。これまでに国内外の様々なレーベルより複数の名義で膨大な数の音源をリリースしている。また、インターネット上の様々な情報とそれに隣する身体の関係、その記憶や伝達の速度にまつわる諸技術について光や声をもちいて作品制作・研究を行なっている。

 本展で小松は、1970年の大阪万博のパビリオン「せんい館」から着想を得て、音とともに集い離散する人々のあり方を「ソフトレイヴ」と呼び、とらえようと試みる。70年の大阪万博は音響システムや野外ライブが普及するきっかけのひとつと言われており「せんい館」でも音と映像をもちいた前衛的な展示が行われた。しかし当時の鑑賞者は、つくり手の意図とは関係なく、勝手気ままにパビリオンを楽しんだよう。小松は、こうした人々の自由さも含めた大阪の文化史と、千里丘陵や淀川水系といった地形をかさねあわせつつ考察し、鑑賞者のための空間を生み出す。