EXHIBITIONS

長島有里枝「ガレージセール」

2025.03.21 - 04.26

©︎Yurie Nagashima

 MAHO KUBOTA GALLERYで、長島有里枝による個展「ガレージセール」が開催される。

 長島は1973年東京生まれ。95年に武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業し、99年カリフォルニア芸術大学ファインアート科写真専攻修士課程を修了、2015年武蔵大学人文科学研究科博士前期課程を修了した。93年「アーバーナート#2」展でパルコ賞を受賞しデビュー。アイデンティティや家族など、他者との関係性をテーマに写真作品を制作するいっぽう、近年では女性のライフコースに焦点をあてたインスタレーション作品を発表している。

 2021年に金沢21世紀美術館で開催された「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で」では、ゲストキュレーターとしてアーティストたちと対話をかさねながら展覧会をつくり上げた。また、2023年の個展「長島有里枝 ケアの学校」(港まちポットラックビル、名古屋)では、会期中に会場を自身のスタジオとして公開し、アーティストや来場者とともにパフォーマンスやイベントを開催するなどその表現の幅を大きく広げている。
 
 本展では、愛猫・愛犬をとらえた新作のモノクロプリントや彫刻をはじめ、日常生活や家事の場面を切り取った「家庭について/about home」のシリーズやアメリカの各地でカメラにおさめた植物のシリーズ「wild flowers」など、これまでMAHO KUBOTA GALLERYで発表してきた作品にドローイングを加えて展示する。

 セルフポートレイト、静物、動物、風景—これらは長島にとってかけがえのないテーマであると同時に、18世紀の女性アーティストたちが社会的な制約のなかで選ばざるを得なかった数少ないモチーフでもあった。本展を通じて、長島がこれらのテーマにどのように向き合い、新たな表現へと昇華させているのかを展覧することができる。