EXHIBITIONS

〈若きポーランド〉-色彩と魂の詩 1890-1918

2025.03.25 - 06.29

オルガ・ボズナンスカ 菊を抱く少女 1894 クラクフ国立博物館蔵

 京都国立近代美術館で「〈若きポーランド〉-色彩と魂の詩 1890-1918」が開催される。

 1795年、ロシア、プロイセン、オーストリアによる分割以降、123年のあいだ独立を失ったポーランド。国を失った人々が自らのアイデンティティの拠り所としたのが、芸術そして文化だった。その中心地として重要な役割を果たしたのが、古都クラクフ。19世紀後半、このクラクフで、ポーランドの歴史や文化的逸話を大きなスケールで描き名声を博したのがヤン・マテイコだ。クラクフ美術学校校長を務めたマテイコのもとからは、数多くの若き芸術家たちが巣立った。

 彼らは、祖国の独立を願いつつ、そこに自らの心情を結びつけ、象徴性に富み色彩豊かな独自の芸術を広い分野で展開した。「若きポーランド」と呼ばれた彼らは、同時代の西欧の美術や浮世絵などの日本美術を貪欲に吸収しつつ、地方に残る伝統文化を発見・再解釈しながら、ポーランドの「国民芸術」のあるべき姿を模索した。

 本展では、マテイコを前史とし「若きポーランド」が生み出した芸術を包括的に、日本で初めて紹介。クラクフ国立博物館の全面的な協力のもと、クラクフ国立博物館を筆頭に、ワルシャワを含む複数の国立博物館や多くの個人所蔵家から招来した、マテイコそして「若きポーランド」の数多くの絵画ならびに版画、家具やテキスタイルなどの工芸品を含む約130点によって、前世紀転換期に花開いたポーランド美術の真髄を展覧する。