2025.3.24

ポーラ美術館開館以来初。ゴッホをテーマとした展覧会「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」展開催へ

ポーラ美術館が、開館以来初となるフィンセント・ファン・ゴッホをテーマとした展覧会「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」展を開催する。

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 ゴッホによる3点の油彩画を所蔵している箱根のポーラ美術館が、同館開館以来初となるフィンセント・ファン・ゴッホをテーマとした展覧会「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」展を開催する。

 わずか37年の生涯のなかで、数多くの絵画を制作したゴッホ。日本でも明治末期以降、個性と情熱にあふれたゴッホの作品や芸術に一生を捧げたその生き方は、美術に関わる者たちの心を揺さぶるだけではなく、文化、そして社会といった広範な領域にインパクトを与えてきた。

 本展は、ゴッホが芸術家たちに与えた影響の歴史を振り返るとともに、現代を生きるわたしたちにとって「ゴッホ」がいかなる価値を持ち得るのかを検証するものだ。

フィンセント・ファン・ゴッホ 座る農婦 1884-1885 諸橋近代美術館

 ゴッホの作品では、ポーラ美術館が所蔵する、アルル時代の風景画《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888)、サン=レミ時代に身近な自然を捉えた《草むら》(1889)、そしてオーヴェール時代の静物画《アザミの花》(1890)などが出品。

フィンセント・ファン・ゴッホ ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋 1888 ポーラ美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ 草むら 1889 ポーラ美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ アザミの花 1890 ポーラ美術館

 また、ゴッホからの影響を受けた作家たちの作品として、岸田劉生の《外套着たる自画像》(1912)、ゴッホとその弟テオの眠る墓を描いた前田寛治の《ゴッホの墓》(1923)、森村泰昌が1985年に初めて扮装した耳に包帯を巻いているゴッホの自画像《肖像(ゴッホ)》(1985)、ゴッホの《薔薇》(1890)を翻案した福田美蘭《冬-供花》(2012)、桑久保徹が美術史における巨匠を取り上げて、想像上のアトリエを描き出す「カレンダーシリーズ」のなかのひとつ《フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ》(2015)、そしてフィオナ・タンの《アセント》(2016)なども出品される。

岸田劉生 外套着たる自画像 1912 京都国立近代美術館
前田寛治 ゴッホの墓 1923 個人蔵
中村彝 向日葵 1923 石橋財団アーティゾン美術館
森村泰昌 肖像(ゴッホ) 1985ポーラ美術館
copyright the artist, courtesy of ShugoArts
福田美蘭 冬-供花 2012 豊田市美術館
桑久保徹 フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ 2015 個人蔵
©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
フィオナ・タン アセント 2016 ベルナール・ビュフェ美術館