EXHIBITIONS

村上隆のスーパーフラット現代陶芸考

2017.03.11 - 05.28

Photo by Mikiya Takimoto

 アーティストとしてだけでなく、コレクター、キュレーター、ギャラリストとしての顔を持つ村上隆。村上が近年特に関心を寄せるのが、日本の現代陶芸だ。

 日本に茶陶を伝播させるにあたり、朝鮮から輸入した茶器を日本の茶器に仕立て、 新しい価値と様式を生み出した千利休。民藝運動を通して、無名の陶工による日用雑器にスポットライトを当てた柳宗悦。オランダを主な輸出先とし、日本人の価値観と外国人の嗜好を融合した磁器を手がけた柿右衛門など、歴史上の変節点にはいつも越境がある。そして、現代の陶芸の世界は、新たな越境への過渡期にあると村上は言う。

 本展では、村上のコレクションの中から、青木亮、安藤雅信、村田森、小嶋亜創らの現代の陶芸作家の作品、そして奈良美智、小出ナオキ、青島千穂、大谷工作室、ガブリエル・オロスコ、ローズマリー・トロッケル、クララ・クリスタローヴァといった現代美術作家の陶芸作品など、28 名による約300 点が紹介される。

 本展を通して過去から現在へ続く陶芸の文脈と、今まさに変節点にある陶芸の未来について考えたい。