2025.2.26

アーティゾン美術館で「彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」が開催。オーストラリア現代美術の現在地をひも解く

アーティゾン美術館で「彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」が開催される。会期は6月24日〜9月21日。

イワニ・スケース えぐられた大地 2017 ウランガラス(宙吹き) 石橋財団アーティゾン美術館 © Courtesy the Artist and THIS IS NO FANTASY
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 東京・京橋のアーティゾン美術館で、「彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術」が開催される。会期は6月24日〜9月21日。

 オーストラリア先住民によるアボリジナル・アートは、地域独自の文脈で生まれた作品への再考が進む近年の国際的な現代美術の動向とも呼応し、いま改めて注目を集めている。昨年開催された第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展では、アボリジナル作家の個展を展示したオーストラリア館が国別参加部門の金獅子賞を受賞したことからも、その世界的な評価と関心の高さがうかがえるだろう。

 日本において、複数の女性アボリジナル作家に焦点を当てる展覧会の開催は初。所蔵作家4名を含む7名と1組による計52点の出展作品を通じて、アボリジナル・アートに脈々と流れる伝統文化の息づかいを感じ取る機会を創出するという。出展作家は、マリィ・クラーク(1961〜)、マダディンキンアーシー・ジュウォンダ・サリー・ガボリ(1924頃〜2015)、ジュリー・ゴフ(1955〜)、エミリー・カーメ・イングワリィ(1910頃〜96)、ノウォンギーナ・マラウィリィ(1939頃〜2023)、イワニ・スケース(1973〜)、ジャンピ・デザート・ウィーヴァーズ、ジュディ・ワトソン(1959〜)

 また、イギリスによる植民地時代を経て、どのように脱植民地化を実践しているのか、そしてそれがいかにして創造性と交差し、複層的で多面的な現代のアボリジナル・アートを形成しているのかについてもあわせて考察されるという。

マリィ・クラーク ポッサムスキン・クローク 2020-21 ポッサムの毛皮 ヴィクトリア国立美術館、メルボルン
© Maree Clarke
ジュリー・ゴフ 1840年以前に非アボリジナルと生活していたタスマニア出身のアボリジナルの子どもたち 2008 木製椅子・焼けたティーツリーの枝、オーストラリア国立美術館、キャンベラ
© Julie Gough
イワニ・スケース えぐられた大地 2017 ウランガラス(宙吹き) 石橋財団アーティゾン美術館
© Courtesy the Artist and THIS IS NO FANTASY
ジュディ・ワトソン 記憶の深淵 2023 天然藍、グラファイト、シナグラフ ペンシル、合成ポリマー絵具・リネン 作家蔵(ミラニ・ギャラリー)
© Courtesy the Artist and Milani Gallery, Brisbane, Meeanjin, Australia. Photography by
Carl Warner.
ジャンピ・デザート・ウィーヴァーズ ドンキー 2021 映像、ジャンピ・デザート・ウィーヴァーズ NPY ウィメンズ・カウンシル
© Tjanpi Desert Weavers, NPY Women’s Council