2025.2.17

「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」がアーティゾン美術館で開催。パートナーシップにおける創作の可能性を再考する

アーティゾン美術館で「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」が3月1日〜6月1日に開催。同展は、個々のアーティストでもあり、パートナー関係にもあったゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプを取り上げ、パートナーシップの上にいかなる創作の可能性を見出せるかを再考するものとなる。

前へ
次へ

 東京・京橋のアーティゾン美術館で、「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」が開催される。会期は3月1日〜6月1日。

 テキスタイル・デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、緻密な幾何学的形態による構成を、絵画や室内空間へと領域を横断しつつ追求したゾフィー・トイバー=アルプ(1889〜1943)と、詩人としての顔を持ちながら、偶発的に生まれる形態に基づき、コラージュやレリーフ、彫刻を制作したその夫、ジャン・アルプ(1886〜1966)。同展では、この二人を20世紀前半を代表するアーティストであることに加え、パートナー関係という視点からも取り上げるものとなる。個々の創作活動を紹介するとともに、両者がそれぞれの制作に及ぼした影響やデュオでの協働制作の試みに目を向け、パートナーシップの上にいかなる創作の可能性を見出せるかを再考するという。

左から、ゾフィー・トイバー=アルプ、ジャン・ アルプ デッサン(デュオ=デッサン) 1939 / ジャン・ アルプ 共同絵画 おそらく1950頃
アルプ財団、ベルリン/ローラントシュ ヴェルト ⓒ VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2024 C4772

 会場では、ドイツとフランスのアルプ財団をはじめとする国外のコレクションよりトイバー=アルプの作品45点、アルプの作品40点、そして、多様な様態からなる両者のコラボレーショ ン作品14点、計99点が出品予定となっている。

 また、応用芸術から前衛芸術の最前線へと進んだゾフィー・トイバー=アルプによる作品には、刺繍や家具、装飾品なども含まれるため、デザイン、インテリア、ファッションの分野における展開にも注目したい。

ゾフィー・トイバー=アルプ  抽象的なモティーフによる構成(手帳カバー) 1917-18頃 アールガウ州立美術館 アーラウ(個人より寄託)
ゾフィー・トイバー=アルプ  漸次的な移行 1934 アルプ財団 ベルリン/ローラントシュヴェルト
ジャン・アルプ 無題(デッサン・デ シレ) 1934 アルプ財団、ベルリン/ローラントシュヴェルト
ⓒ VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2024 C4772
ジャン・アルプ 貝殻=帽子 1965 アルプ美術館バーンホフ・ローラン ズエック
Photo: Mick Vincenz

 なお、同館では「硲伊之助展」と「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト」も同時開催。1枚のチケットですべての展覧会を見ることができるため、この機会にぜひチェックしてみてほしい。