EXHIBITIONS

やなぎみわ展 神話機械

やなぎみわ 女神と男神が桃の木の下で別れる:川中島(部分) 2016 作家蔵

やなぎみわ Untitled Ⅰ 2004 作家蔵

やなぎみわ 次の階を探してⅠ(部分) 1996 高松市美術館蔵

やなぎみわ My Grandmothers:YUKA 2000 作家蔵

 1990年代から現在に至るまで、現代美術のみならず演劇界でも忘れられないアートシーンを創出してきた美術家・やなぎみわ。やなぎは「エレベーター・ガール」(1994〜98)で最初に注目を浴び、「マイ・グランドマザーズ」(2000)や「フェアリー・テール」(2004〜06)といった一連の写真作品で世界的に評価を受けて、2009年には第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表に選ばれた。そして、その翌年から本格的に演劇プロジェクトに取り組んでいる。

 演劇プロジェクトでは、大正期の日本を舞台に、新興芸術運動の揺籃を描いた「1924」三部作が話題に。台湾で製造したステージ・トレーラーを母体に2016年から日本各地を巡礼中の野外劇「日輪の翼」は、人々に大きな感動を与えている。

 本展は、やなぎの約10年ぶりとなる大規模個展。これまでの活動を紹介するとともに、舞台作品と並行して、日本神話をモチーフに桃を撮影した新作シリーズを初公開する。また本展に向け、京都、高松、前橋、福島の大学などと連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」を立ち上げ、マシンによる神話世界を会場内に生み出す。