若木くるみ個展「コースロスト」

　自らの身体を用いた作品などで知られるアーティスト・若木くるみの個展「コースロスト」が、京都のFINCH ARTSで開催されている。

　若木は1985年北海道生まれ。2008年京都市立芸術大学美術学部美術科版画専攻卒業。09年に当時史上最年少での岡本太郎現代芸術賞受賞を受賞。大学では版画を専攻するが、従来の版表現にとどまらない奇天烈な活動を展開し、素朴な木版画から、自身の身体を版として用いる破天荒なインスタレーション、また特技のランニングを活かしたパフォーマンスに至るまで幅広く表現している。

　246キロメートルを踏破するスパルタスロンを完走するなどの実績をもつマラソンランナーでもある若木。展覧会タイトルの「コースロスト」とはトレイルランニングなどで使用される用語で、コースを見失うこと、道を間違えることを意味する。
　
　本展は、長距離マラソン時に起きる足元や風景の変容する感覚、あるいは若木自身のアーティストとしての不安感をもとに展開されるインスタレーションと、映像作品などの新作で構成される。