EXHIBITIONS

開館20周年記念

フランソワ・ポンポン展

動物を愛した彫刻家

2021.11.23 - 2022.01.26

フランソワ・ポンポン シロクマ 1923-1933 群馬県立館林美術館蔵

フランソワ・ポンポン ワシミミズク 1927-1930 パリ、オルセー美術館蔵 © RMN-Grand Palais(musée d’Orsay) / A. Morin / Gallimard / distributed by AMF

フランソワ・ポンポン 猪 1925-1929 群馬県立館林美術館蔵

フランソワ・ポンポン ヒグマ 1918-1926 群馬県立館林美術館蔵

フランソワ・ポンポン ペリカン 1924 ディジョン美術館蔵(パリ、国立自然史博物館より寄託) © Musée des Beaux-Arts de Dijon / François Jay

 群馬県立館林美術館の開館20周年記念として、フランソワ・ポンポン(1855〜1933)の日本初となる展覧会を開催する。本展は京都市京セラ美術館からスタートした巡回展。

 ポンポンは20世紀前半のフランスにおいて、革新的な動物彫刻を生み出した彫刻家。オーギュスト・ロダンの下彫り職人をしていたポンポンは、ロダンから、ヴォリュームと動きの表現を学び、動物の観察を行ったうえで、古代エジプト美術にならった形態の単純化を進め、1906年に、生命感と洗練化の完璧なバランスをもつモダンな動物彫刻を世に送り出した。続いて22年に発表した体長2.5メートルの記念碑的な傑作《シロクマ》によってポンポンは一躍注目を集め、亡くなるまでの十数年間、様々な動物彫刻を生み出し活躍した。

 群馬県立館林美術館は、国内では唯一のまとまったポンポンの作品・資料をコレクションする美術館として、ポンポンの調査研究を続けてきた。国内を巡回する本展では同館と、フランスのディジョン美術館、出身地ソーリューのフランソワ・ポンポン美術館、パリのオルセー美術館の作品を合わせ、初期から晩年までの石彫、ブロンズ、石膏、デッサン約90点を紹介する。
 
 さらに巡回作品に加え、同館のポンポン関連資料から150点余りを一挙に展示。ポンポンが収集した動物の写真や絵はがき、ポンポンが使った道具などを通して、ポンポンの動物彫刻誕生の背景と魅力に迫る。

 群馬県立館林美術館の敷地内に立つ、ポンポンのアトリエを再構成した別館「彫刻家のアトリエ」も本展とともに楽しむことができる。