EXHIBITIONS

大広重展 ― 東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界

2021.12.17 - 2022.02.06

歌川広重 東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪 1833(天保4)頃

歌川広重 京都名所之内 嶋原出口之柳 1834(天保5)頃

歌川広重 三日月にみみづく 1830~1844(天保) 前期展示

歌川広重 名所江戸百景 大はしあたけの夕立 1857(安政4)

歌川広重 官女図 1848~1854(嘉永)頃

歌川広重 初代歌川豊国 今様十二ヶ月霜月 1822(文政5)

「東海道五拾三次」で知られる浮世絵風景画の名手・歌川広重(1797〜1858)。その展覧会「大広重展 ― 東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」が広島県立美術館で開催されている。

 江戸の定火消同心(現代でいう消防隊)安藤家に生まれた広重は、13歳で両親に先立たれて家督を継いだ。しかし15歳で歌川豊広へ入門、その翌年には歌川広重の画名を許され、22歳で浮世絵師に転身。苦節十余年目の転機となったのが、実際のスケッチに基づくという、37歳頃の「東海道五拾三次」(1833)大ヒットだった。

 以降、広重は木曽街道や近江八景、京都名所、最晩年の傑作「名所江戸百景」まで各地に生きる人々の暮らしや自然の移ろいを詩情豊かに描き、日本人のみならず世界をも魅了した。晩年に至っても描き続けられた歌川の風景画には、雪月花の風雅と人情の機微が大胆かつ繊細に織り込まれている。

 本展では、広重の郷愁と叙情の世界を、四季の雪月花になぞらえて紹介。旅の楽しさが思い起こされる「東海道五拾三次」や晩年の鳥瞰図「五十三次名所図会」など風景画の名作を中心に、美人画や役者絵、花鳥画、戯画、また同時代の絵師の「雪月花」にちなんだ名品なども加えた約230点を展示している。

※広島県立美術館は、広島県の「まん延防止等重点措置」の適用に伴う新型コロナウイルス感染拡大防止のための集中対策を受け、2022年1月11日〜1月31日まで臨時休館。最新情報は公式ウェブサイトへ