事実と虚構の融合が生むリアリズム。映像作家・鈴木光が個展「MONTAGE」を開催
ベルリンを拠点に、ドキュメンタリーの手法をベースとした映像作品を制作している鈴木光が、KAYOKOYUKIで個展「MONTAGE」を開催する。会期は2018年1月6日〜2月4日。
鈴木光は1984年福島県生まれ。武蔵野美術大学彫刻科、情報科学大学院大学(IAMAS)を卒業し、現在ベルリン芸術大学メディア芸術学科に在籍中。ベルリンを拠点に、現代美術とドキュメンタリー映画の両方のジャンルで作品の発表を続けている。
宗教家である父親をテーマに制作した『GOD AND FATHER AND ME』(2008)をきっかけに、近年は役者を起用した制作を行っている鈴木。ドキュメンタリーの手法をベースとしながらも、フィクションの持つ創造性を繊細に融合させ、独自のリアリズムを追求している。
KAYOKOYUKIでの3年ぶりの個展となる本展では、新作映像作品《October》を上映。鈴木が暮らしていたベルリンや、そこから300kmほど離れた港町・ハンブルクの風景と、様々な人種の人々のポートレイト的なカットが交錯しながら映し出される本作。パーソナルな要素が強かったこれまでの作品とは異なる、どこかアノニマスで中庸的な空気を漂わせる作品となっている。