2018.5.1

「昼の絵画」と「眠る絵画」。
厚塗りの抽象画で知られる
高橋大輔の個展がURANOで開催

立体作品かのような厚塗りの油彩画で知られるペインター・高橋大輔の個展が東京・天王洲のURANO Viewing spaceで開催されている。会期は2018年4月21日〜5月19日。

高橋大輔 32-62 眠る絵画 2016-17 ©Daisuke Takahashi Courtesy of URANO
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 高橋大輔は1980年埼玉県生まれ。東京造形大学を卒業後、埼玉にアトリエを構え制作を行っている。立体作品と見紛うほどに厚塗りされた油彩画で知られ、「NEW VISION SAITAMA5 迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館、2016)、「ペインティングの現在 -4人の平面作品から-」(川越市立美術館、2015)、「絵画のありか」 (東京オペラシティアートギャラリー、2014)など、美術館での展覧会にも数多く参加するなど、注目を集めている。

 そんな高橋の個展「眠る絵画」が、東京・天王洲のURANO Viewing spaceで開催される。高橋はこれまで制作してきた厚塗りの作品を「夜の絵画」と呼んでおり、本展ではこれまでの「夜の絵画」とは違う「昼の絵画」、またそれらの中間である「眠る絵画」を中心とした新作が展示されている。


高橋大輔 93 color chart for M 2017 ©Daisuke Takahashi Courtesy of URANO

 「眠る絵画」シリーズを2016年から描き始めたという高橋。作品について「自分にとっての絵画は、矛盾や混乱をそのプロセスに孕んでいる。それは非合理的で把握しきれないものだった。 そういった困難の中で、かろうじてなにかを掴んだら、筆を置き、 絵を乾かし、 見えないところに置き、 眠らせておく」と語っている。

 また、東京都現代美術館学芸員の藪前知子は高橋の作品について「一筆ごとにかたちを変え、どこで終わるかも定まらない。タッチひとつひとつが時間をつくる。高橋の絵画は、それらが置かれた時間を物質化したものだと言ってみたい」とコメント。

 ひたむきに「絵画」と向き合い、生命力溢れる作品を制作してきた高橋。その新たな挑戦に注目したい。