2018.10.6

フェルメールからデュシャンまで。3連休に見たい5つの大型展覧会

10月は大型展覧会が次々に開幕するシーズン。そこで、この連休に見ておきたい5つの展覧会をピックアップしてお届けする。

「マルセル・デュシャンと日本美術」展示風景
前へ
次へ

過去最多の8点が来日。「フェルメール展」(上野の森美術館

ヨハネス・フェルメール 牛乳を注ぐ女 1660頃 アムステルダム国立美術館蔵 Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908 ©Rijksmuseum, Amsterdam

 いまもっともホットな展覧会のひとつといえば「フェルメール展」だろう。本展では、これまでに日本で行われた「フェルメール展」のなかで過去最多となる8点のフェルメール作品を展示。《牛乳を注ぐ女》などすべてのフェルメール作品がひとつの展示室で一気に見られるのも今回の特徴だ。

 加えて、同時代のオランダを彩った画家たちの作品も展示することで、オランダ絵画黄金時代を垣間見る内容となっている。なお、本展は日時指定入場制。来館の際は、忘れず事前のチケット購入を。

会期:2018年10月5日〜19年2月3日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:9:30~20:30 ※入場は閉館の30分前まで、開館・閉館時間が異なる場合あり。詳細は公式サイトを参照
休館日:12月13日 ※休館日が追加となる場合あり
前売日時指定券:一般 2500円 / 大学・高校生 1800円 / 小・中学生 1000円 ※日時指定入場制
問合せ:0570-008-035

 

「色彩の魔術師」37年ぶりの回顧展。「ピエール・ボナール展」(国立新美術館

会場風景

 浮世絵の影響が顕著な装飾的画面により、「日本かぶれのナビ」の異名を取ったピエール・ボナール(1867~1947)。「ピエール・ボナール展」は、ボナールの本格的な大回顧展としては、じつに37年ぶりとなる展覧会だ。

 本展では、パリのオルセー美術館の特別協力を得て、ボナールの作品を油彩からポスター、屏風まで132点を展示。ボナールが日本美術から強い影響を受けて制作した作品からボナール絵画の代名詞である「浴室の裸婦」を描いた作品群など、多種多様なボナールの表現が集まる。

会期:2018年9月26日〜12月17日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00、9月28日・29日〜21:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料

 

フィラデルフィア美術館から名品が来日。「マルセル・デュシャンと日本美術」展(東京国立博物館

会場風景。中央は《自転車の車輪》(レプリカ 1964/オリジナル 1913)

 「現代美術の父」と称される芸術家、マルセル・デュシャン。その作品の所蔵規模で世界的に有名なフィラデルフィア美術館が全面協力する本展では、作品・資料150件以上を一堂に展示し、その作家人生をたどることができる。

 デュシャンの代名詞でもある「レディメイド」はもちろんのこと、若かりし頃に描かれた絵画作品にもぜひ注目してもらいたい。

会期:2018年10月2日~12月9日
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室第1室・第2室
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30〜17:00(金土、10月31日、11月1日 〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、10月9日 ※ただし10月8日は開館
料金:一般 1200円 / 大学生 900円 / 高校生 700円 / 中学生以下無料

 

アートには何ができるのか?「カタストロフと美術のちから」展(森美術館

会場風景。トーマス・ヒルシュホルン《崩壊》(2018)

 森美術館の開館15周年を記念して開幕したのが、世界各地で絶えず発生する「カタストロフ(大惨事)」をテーマにした本展だ。1部では、震災、戦争、事故、疫病、金融危機などの大惨事や個人的な災害を美術がどのように描いてきたか。2部では、大惨事からの復興・復活に際し、美術が果たせる役割や、美術が持ちうる力を探っていく。

 参加アーティストは、トーマス・ヒルシュホルン、モナ・ハトゥム、アイザック・ジュリアン、畠山直哉、宮本隆司、Swoon(スウーン)、加藤翼、平川恒太ほか、ベテランから若手作家までが揃う。

会期:2018年10月6日~2019年1月20日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~22:00(火〜17:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1800円 / 大高生 1200円 / 4歳〜中学生 600円 / 65歳以上 1500円
休館日:会期中無休

 

鎌倉彫刻の傑作を全方位から見る。「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展(東京国立博物館

展示風景より中央が快慶作の重要文化財《釈迦如来坐像》

 日本美術も忘れてはならない。「マルセル・デュシャンと日本美術」展と同じ、東京国立博物館で開催中の「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展では、鎌倉彫刻の傑作を楽しみたい。

 昨年、同館の回顧展で大きな話題を呼んだ運慶。その運慶と同じ「慶派」である鎌倉仏師、快慶・定慶らの代表的な作品が、京都・大報恩寺(通称千本釈迦堂)から東京へとやってきた。寺外初公開となる本尊の秘仏《釈迦如来坐像》をはじめ、快慶晩年の名品である《十大弟子立像》などを360度の方向から見ることができるまたとない機会だ。

会期:2018年10月2日〜12月9日
会場:東京国立博物館 平成館 3・4室
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30〜17:00(金、土、10月31日、11月1日〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月 ※ただし10月8日は開館、10月9日は休館
料金:一般 1400円 / 大学生 1000円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料