豊田市美術館のリニューアル記念展からロエベ「クラフト プライズ」まで、今週末に見たい3つの展覧会
6月30日までに終了する展覧会と今週スタートした展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。
塩田千春、金氏徹平、加藤翼らが参加。「世界を開くのは誰だ?」(豊田市美術館)
今年6月にリニューアル・オープン果たした愛知・豊田市美術館が、大規模なコレクション展「世界を開くのは誰だ?」を開催。美術館活動の源であるコレクションから選りすぐった名品に、近年収蔵された作品をあわせた約150点を展示している。
「身体を開く」「日常を開く」「歴史・記憶・社会を開く」「まだ見ぬ世界を開く」といった4章で構成される本展では、シーレやムンクから森村泰昌、ミヤギフトシ、村瀬恭子、そして加藤翼によるプロジェクト型の作品、フォンタナや佐藤克久など抽象によって「まだ見ぬ何か」を求める作家の作品を見ることができる。
会期:2019年6月1日〜30日
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
電話番号:0565-34-6610
開館時間:10:00〜17:30 ※入場は閉館の30分前まで)
料金:一般 300円 / 高校・大学生 200円 / 中学生以下無料
古典的な様式と現代的なアクセントの組み合わせ。「私はここからどこへ向かえばよいのか?」(カイカイキキギャラリー)
ロンドンに拠点を置きながら、世界各地で活動するベン・エドマンズの日本初個展「Where should Igo from here?(私はここからどこへ向かえばよいのか?)」が、東京・南麻布のカイカイキキギャラリーで開催されている。
イギリスの地方に生まれ、アウトドアカルチャーに囲まれて育ったというエドマンズは、セーリングやウィンドサーフィン、マウンテンバイクなどに熱中。本展では抽象表現主義やカラーフィールド・ペインティング、そしてミニマリズムといった古典的とも言いうる様式を、エクストリーム・スポーツやファッションという現代的なアクセントと組み合わせながら描いた作品群を紹介している。
会期:2019年6月7日〜29日
会場:Kaikai Kiki Gallery
住所:東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1
電話番号:03-6823-6038
開廊時間:11:00〜19:00
「工芸の先」を見つめる。「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ 2019」(草月会館)
6月25日、ロエベ財団と、ロエベのクリエイティブ ディレクターであるジョナサン・アンダーソンが立ち上げた「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」の3回目の大賞および特別賞が発表。大賞には1982年京都生まれの石塚源太が輝いた。
6月26日〜7月22日、深澤直人やジョナサン・アンダーソンなど9人の専門委員会が選出した29名のファイナリストの作品が、東京・赤坂の草月会館内、イサム・ノグチの名作として知られる「天国」に集まっている。クラフトを「人間の自己表現における基本的なこと」と語るジョナサン・アンダーソンは、石塚の受賞作の《Surface Tacitility #11》(2018)について、「彼は漆の知識を使いながら次世代の作品をつくりだした」と評価。
ロエベが世界中から選りすぐったクラフトをお見逃しなく。
会期:2019年6月26日〜7月22日
会場:草月会館
住所:東京都港区赤坂7-2-21
開館時間:10:00〜19:00(金〜20:00)
休館日:無休
料金:無料