抽象的なポートレイトを描く武田鉄平が個展を開催。約10点の近作を発表
武田鉄平の個展「Paintings of Painting」が、東京・外苑前のMAHO KUBOTA GALLERYで開催される。本展では、武田が約1年半かけて向き合った約10点のポートレイト作品を見ることができる。会期は9月3日〜10月12日。
武田鉄平の個展「Paintings of Painting」が、東京・外苑前のMAHO KUBOTA GALLERYで開催される。会期は9月3日〜10月12日。
武田は1978年山形県生まれ。2001年に武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業した。同年にサイトウマコトデザイン室に入社し、サイトウマコトに師事した。その後2003 年より滞仏。05年より故郷の山形県にて制作をスタートし、東北芸術工科大学にて樹脂と木工を学んだ。
2013年より現在の手法で絵画制作を手がける武田。その作品は、一貫して人の顔を主題とした肖像画であり、もっともスタンダードな形式のもののひとつといえるが、武田が描く顔は強い筆致で抽象化され、明確な匿名性を持っている。
膨大なレファレンスと偶発性を下地としたエスキースから出発する武田の作品。同じイメージを20〜50枚ほどエスキースし、その中から選んだ1枚を「主題」として再び絵に興しているという。最初のエスキースと長い時間をかけて向き合った結果である画面からは、絵画のシステムや様式美、情動を動かす装置が見て取れる。16年には個展「絵画と絵画、その絵画とその絵画」(KUGURU、山形)を開催し、話題となった。
本展では、武田が約1年半かけて向き合った約10点のポートレイト作品を展示。筆致の鮮やかさや流麗なストローク、光を拾う絵具の艶を堪能したい。