知覚の拡張につながる体験を生み出す。久門剛史による国内初の大規模個展「らせんの練習」が豊田市美術館で開催
音や光、立体などを用いたインスタレーションで、鑑賞者の身体感覚を揺さぶる作品を生み出してきた久門剛史。その個展「らせんの練習」が、豊田市美術館で開催される。会期は3月20日〜9月22日。
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久門剛史は1981年京都生まれ、2007年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。これまで、身の回りの現象や特定の場所が持つ記憶、歴史的事象を採取し、音や光、立体などの断片を用いて鑑賞者の身体感覚を揺さぶるような空間をつくり出してきた。
近年では「日産アートアワード2015」でオーディエンス賞を、「VOCA展2016」でVOCA賞を受賞。16年にはチェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』の舞台美術と音を担当し、「MAMプロジェクト025」(森美術館、2018)と第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展「May You Live in Interesting times」(2019)ではアピチャッポン・ウィーラセタクンとの共作を発表した。
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そんな久門の、国内では初となる大規模な個展「らせんの練習」が豊田市美術館で開催される。会期は3月20日~9月22日。
本展で久門は、同館の4つの展示室からなる約1000平方メートルの空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開。展覧会タイトル「らせんの練習」が示す通り、「真上から見て円であると認識していたものが、視点を変えて彫刻的に見たときにはじめて螺旋だと気づく」ような体験を、螺旋の構造をなぞるように展示室が配置された建築空間のなかに生み出す。
鑑賞者の知覚を研ぎ澄ますように促し、モノに潜在する「永遠性」「唯一性」を問いかけてきた久門。そのサイトスペシフィックな試みを大きな規模で見ることができる機会を、逃さずチェックしたい。
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