金沢21世紀美術館、20年度は内藤礼の個展やミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダースの2人展など開催
金沢21世紀美術館は、2020年度の事業を発表。20年度は、「内藤礼 うつしあう創造」など3つの企画展を開催する(4月9日追記:金沢21世紀美術館は4月14日〜5月6日まで休館を発表)。
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金沢21世紀美術館が2020年の事業を発表。20年度は3つの企画展を開催する(*)。
まず年度の幕開けを飾るのは、「de-sport : 芸術によるスポーツの解体と再構築」(4月29日~9月27日)だ。今年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた本展は、芸術の視点からスポーツの意味を問い直すもの。
展覧会名にある「de-sport」(デ スポーツ)は、「楽しむこと」を意味する「desport」と、「スポーツの脱構築」を意味する「deconstructed sport」を掛け合わせた言葉。「日常の労働から離れた遊び」というスポーツの起源に立ち返り、芸術の視点から、遊戯、身体、国家、戦争、非言語コミュニケーションなど、今日の諸問題を映し出す社会的構造物としてスポーツを9ヶ国10組の作品を通して再考する。
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20年度の目玉となりそうなのが、内藤礼の個展「うつしあう創造」(5月2日~8月23日)だろう。小さなひとの像や絵画作品、光、水といった自然のエレメントによって、根源的な生の光景を出現させてきた内藤礼。過去最大規模の個展となる本展では、「『人(わたし)がつくる」を超えること」を問い続けてきた内藤が、初めて「創造」と向き合う機会になるという。
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秋には、世界的に高い人気を誇るふたりのアーティストの共演を見ることができる。「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース ダブル・サイレンス」(9月19日~2021年2月28日)は、ベルギー生まれのミヒャエル・ボレマンスと、オランダ生まれのマーク・マンダースが世界で初めて行う2人展。
マネやベラスケスといった西洋絵画の伝統を受け継ぎ、圧倒的な画力によって目に見えない人間存在の影を映し出すボレマンス。彫刻や家具、日用品や建築部材などに似せたオブジェを組み合わせ、彫刻やインスタレーションとして発表しているマンダース。本展では、絵画、彫刻、映像の各作品が展示室で会話をするように絡み合い、新しい物語を創出する。
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右──ミヒャエル・ボレマンス Autmat(I) 2008
Photo by Peter Cox
Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Gallery Koyanagi, Tokyo,Tanya Bonakdar Gallery, New York/Los Angeles & David Zwirner
*──金沢21世紀美術館は4月14日〜5月6日まで休館を発表(4月9日追記)