灰で韓紙に描くモノクロームの風景
李鎮雨が銀座で日本初個展
3月4日より、韓国出身でパリを拠点に活動する李鎮雨の個展「森の奥で」が、東京画廊+BTAP (東京・銀座)で開催される。
1959年、韓国・ソウルに生まれた李鎮雨(り・じんう)は、83年に世宗大学(韓国)を卒業後、86年に渡仏。パリ国立高等美術大学を卒業したのち、現在はパリを拠点に活動している。
李は、パリ留学中に偶然目撃したイタリアのストロンボーリ島の火山の噴火に衝撃を受けて以来、持ち帰った火山の灰を自身の作品のモチーフとしてきた。作品制作では、炭を撒いた上に韓紙を乗せ、鉄のブラシで叩く作業を何層にもわたって繰り返すことで、特有の質感を有するモノクロームの画面をつくり出している。ゆえに李の作品は韓国の単色画にも通じるところがあり、これまでパリを中心に各地で作品を発表してきた。
日本では初個展となる本展では、約10年前から制作を続けている韓紙、炭を使用した作品シリーズ「無題」の新作約8点を展示。初日には作家を囲んでのオープニング・レセプションも予定している。