2022.11.4

無人島でスマホを封印しよう。「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」が猿島で開催へ

暗闇のなかで感覚を研ぎ澄ませ、人ではなく自然や感覚と対峙する。そんな唯一無二のコンセプトを持つ芸術祭の「Sense Island 」が今年、第3回目の開催を迎える。会期は11月12日〜12月25日(会期中の土日祝のみ開催)。

 

猿島
前へ
次へ

 「Sense Island」は、横須賀の無人島「猿島」を舞台に、自然と感覚に向かい合う唯一無二の芸術祭だ。今年は2019年秋と2021年冬に続く、第3回目の開催となる。会期は11月12日〜12月25日(土日祝のみ)。

猿島の遺構

 無人島「猿島」は、東京湾唯一の自然島。縄文時代・弥生時代の石器や土器が出土するなどその歴史は古く、明治時代の弾薬庫なども残っていることから東京湾要塞跡として国の史跡にも指定されている。この歴史ある自然豊かな島は現在、バーベキュー、音楽やアートのイベントといった体験が楽しめるという魅力から、多くの人が訪れる観光地になっている。

猿島の遺構

 そんな猿島で開催される芸術祭「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」では、テクノロジーや時間という概念を取り外し、猿島にある自然の文脈を感じながら自己との対峙を叶える作品や体験が展開されるという。

 プロデューサーの齋藤精一(パノラマティクス主宰)は、開催にあたり次のようなメッセージを寄せている(※一部抜粋)。

東京湾で唯一の自然島である猿島に、普段足を踏み入れることのできない夜に、Sense Islandは開催されます。猿島ではカメラやインターネットを遮断し、目、耳、鼻や皮膚から取り入れる情報だけを頼りに島内を巡り、音、光、カタチを発する様々な作品やパフォーマンスを通してもう一度、生物としての自分と自分の持っている本来の感覚を体感して欲しいと考えています。
齋藤 精一 Photo:Muryo Honma (Rhizomatiks)

 今年は、これまでのコンセプトに加え来訪者の感覚を最大限にひらくために「Behave(感覚行動)」というテーマを設定。さらに、猿島エリアだけではなく横須賀の街中でも展示やプロジェクトを企画して、横須賀全体でプログラムを実施するという。

 参加アーティストは、齋藤精一、齋藤帆奈+脇坂崇平、TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT(梅沢英樹、オウ・シャオハン、川島崇志、小山泰介、村田啓、森田友希、山本華、Ryu Ika、金秋雨)、中村 公輔+中村豊+原田 祐馬。さらに、タイアップアーティストとしてHAKUTEN CREATIVE、中村ゆめお(ArtSticker 株式会社The Chain Museum)、石毛健太(ArtSticker 株式会社The Chain Museum)が、パフォーマンスアーティストとして梅川壱ノ介、エルムホイ、七尾旅人が名を連ねている。

 海上に佇む猿島を訪れ、その電子機器を手放し、暗闇のなかで研ぎ澄まされる感覚をもってアートと向き合ってみてはいかがだろうか。

HAKUTEN CREATIVE The Observation Turret on Sarushima Photo:Akira Arai
猿島