マティスからABSTRACTION、蔡國強まで。今週末に見たい展覧会ベスト7
今週開幕した・閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。
絵画を一挙公開。高橋盾「THEY CAN SEE MORE THAN YOU CAN SEE」(GALLERY TARGET)
GALLERY TARGETで高橋盾による個展「THEY CAN SEE MORE THAN YOU CAN SEE」が開催される。
高橋は1969年9月群馬県桐生市生まれ。文化服装学院在学中、友人とファッションブランド「アンダーカバー」を立ち上げる。91年3月に同校アパレルデザイン科を卒業。その後ファッションデザイナー、アーティストとして活躍している。
本展では、ファッションデザイナーである高橋が2013年から始めた油絵を紹介する。主な題材は高橋の人生に大きな影響を与えたミュージシャンや俳優などの肖像画。描かれた人物自体がボヤけて見えるように額自体にシルクチュールが装飾された作品や、題材となる人物が内面に抱くストーリーを描いた作品など、最新のシリーズで描かれる人物たちは、もはや描き手の世界観を際立たせる輪郭のようだ。本展では初公開となる油絵「肖像画シリーズ」を中心に、ブロンズによる造形作品を含んだ約30点が紹介される。
会期:2023年8月19日~9月9日
会場:GALLERY TARGET
住所:東京都渋谷区神宮前5-9-25
電話番号:03-3402-4575
開館時間:12:00~19:00
休館日:日月祝(展覧会を開催していない時期はアポイント制)
料金:無料
100作家が参加。「ART SESSION by 銀座 蔦屋書店」(銀座 蔦屋書店)
銀座 蔦屋書店で、「ART SESSION by 銀座 蔦屋書店」が開催される。
本展は、「SESSION」という言葉をテーマに、様々なアーティストの表現が交錯した現代アートを展示するイベント。世界各国を拠点に第一線で活動するアーティスト、若手の注目アーティスト、ストリート、ファッション、グラフィックといった多様なカルチャーをバックグラウンドに持つ総勢およそ100名のアーティストによる作品を、店内イベントスペースGINZA ATRIUMを中心に、複数スペースで展示する。なお、8月19日は完全招待制につき、一般公開は20日からとなる。
会期:2023年8月19日~8月21日
会場:銀座 蔦屋書店
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
電話番号:03-3575-7755
開館時間11:00~20:00
料金:無料
20年ぶりの大規模展。「マティス展 Henri Matisse: The Path to Color」(東京都美術館)
東京都美術館で開催中の日本では約20年ぶりとなるアンリ・マティスの大規模回顧展「マティス展 Henri Matisse: The Path to Color」が、20日に閉幕する。
アンリ・マティス(1869〜1954)は、激しく純粋な色彩を用いるフォーヴィスム(野獣派)のリーダーとして知られる20世紀美術の巨匠画家。絵画において革新的な取り組みを続け、モダン・アートの歴史に大きな影響を与えた。
本展では、世界有数のマティスコレクションを誇るポンピドゥー・センターの協力を受け、日本初公開作となる実験的な初期の傑作《豪奢、静寂、逸楽》を含む約150点を展示。全8章の会場構成は、緩やかな年代ごとにマティスの生涯をたどるものとなっている。レポート記事はこちら。マティス展の鑑賞をより楽しむためのヒントはこちら。
会期:2023年4月27日~8月20日
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:30(金~20:00) ※入室は閉室の30分前まで
休館日:月(ただし、5月1日、7月17日、8月14日は開室)、7月18日
料金:一般 2200円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1500円 / 高校生以下 無料(要日時指定予約)
全展示室にわたる大規模展。「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」(アーティゾン美術館)
アーティゾン美術館で「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」が20日まで開催中だ。
本展は、国内外から集結した約250点によって抽象絵画の起源と展開を紹介する大規模展。会場では、印象派を起点とした抽象絵画の発生と興隆から、抽象表現主義、日本の実験工房や具体なども含めた、抽象絵画のあゆみを展観できる。
出品作品は、同館の前身であるブリヂストン美術館が休館した2015年以降に新たに収蔵された作品のうち、ヴァシリー・カンディンスキーやパウル・クレー、フランティセック・クプカの初期作品など95点。展覧会レポートはこちら。
会期:2023年6月3日~8月20日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00、ただし8月11日を除く) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月17日は開館)、7月18日
料金:一般 1800円(日時指定予約制、当日チケット[窓口販売]2000円) / 学生 無料(要ウェブ予約)
壁のない空間で没入。「蔡國強 宇宙遊 一〈原初火球〉から始まる」(国立新美術館)
国際的に知られている現代美術家・蔡國強が1991年に東京で行った個展「原初火球—The Project for Projects」。これを起点に、その約30年にわたる芸術的な展開をたどる展覧会「蔡國強 宇宙遊 一〈原初火球〉から始まる」展が国立新美術館で21日まで開催されている。
展覧会は4章構成。作家として歩み始めた中国時代の作品が並ぶ第1章「〈原初火球〉以前一何がビックバンを生んだのか? 」から、芸術家としての重要な形成期である日本時代を紹介する第2章「ビッグバン:〈原初火球:The Project for Projects〉1991年2月26日〜4月20日」、そしてアメリカや世界を舞台に活躍を見せる第3章「〈原初火球〉以後」と第4章「〈原初火球〉の精神はいまだ現在か?」へと緩やかな時系列で展開。国立新美術館の柱も壁もない2000平米の悠々とした空間で、蔡の作品世界に没入してほしい。展覧会レポートはこちら。インタビューはこちら。
会期:2023年6月29日~8月21日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1500円 / 大学生1000円 / 高校生、18歳未満無料
新スペースのこけら落とし。「YUZURU HANYU: A JOURNEY BEYOND DREAMS featured by ELLE」(グッチ銀座 ギャラリー)
グッチが東京・銀座のフラッグシップショップである「グッチ銀座」の上層フロアにオープンさせた新スペース「グッチ銀座 ギャラリー」。そのこけら落としとなるフィギュアスケーター・羽生結弦をフィーチャーしたエクスクルーシブな写真展「YUZURU HANYU: A JOURNEY BEYOND DREAMS featured by ELLE」が8月20日で閉幕する。
羽生はグッチをまとい、ファッション誌『エル・ジャポン』8月号のために初めて本格的なファッションポートレート撮影に挑んだことでも話題を集めている。展覧会では、雑誌掲載ビジュアルとともに、グッチ銀座 ギャラリーだけで観ることができる羽生の様々な表情をとらえた作品に注目だ。
会期:2023年6月28日〜8月20日
会場:グッチ銀座 ギャラリー
住所:東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座7階
開館時間:11:00〜20:00 ※最終入場は19:30まで。6月28日のみ13:00開場
休館日:無休
料金:無料 ※事前予約制。6月28日の午前10時以降、グッチ LINE公式アカウントから来場予約が可能
カラースライドを中心に。「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」(渋谷ヒカリエ)
1940年代末よりニューヨークで活躍していた、「カラー写真のパイオニア」と称される写真家ソール・ライター(1923〜2013)。その大規模な展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」が、渋谷ヒカリエ9F・ヒカリエホールで23日まで開催中だ。
2017年と20年、Bunkamura ザ・ミュージアムで2回にわたってソール・ライター展が開催されたことはまだ記憶に新しい。本展も、今年4月から休館(オーチャードホールを除く)している「Bunkamura」の美術館の企画によって開催されたものであり、ソール・ライターの生誕100周年を記念するもの。会場はカラースライドを中心に、ソール・ライターの「カラー」に対する視点で、もう一度組み直すというものになっている。展覧会レポートはこちらから。
会期:2023年7月8日〜8月23日
会場:ヒカリエホール ホールA
住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00〜20:00 ※最終入場は19:30まで
休館日:無休
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1000円 / 中学・小学生 700円