柳幸典、ミラノでヨーロッパ初の大回顧展「ICARUS」を開催。新作とともに壮大なインスタレーションが登場
柳幸典のヨーロッパ初となる大回顧展「ICARUS」が、ミラノのピレリ・ハンガービコッカで開催される。柳の代表作と新作が一堂に会し、巨大な展示空間を活かした没入型インスタレーションが展開される。会期は3月27日〜7月27日。
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ミラノの現代アートセンター、ピレリ・ハンガービコッカで、柳幸典のヨーロッパ初となる大規模回顧展「ICARUS」が開催される。会期は3月27日〜7月27日。
本展では、柳が新作を発表するとともに、1990年代から2000年代にかけて発表した作品を再構築し、サイトスペシフィックなインスタレーションとして展示する。柳の作品がどのように時代と社会に対する深い洞察を提供してきたかを顕彰する貴重な機会となる。
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柳は、1993年にヴェネチア・ビエンナーレに出展し、色砂でつくられた170枚の国旗が蟻によって侵食される作品《The World Flag Ant Farm》で注目を浴び、アペルト部門で日本人として初めて受賞。今回の回顧展は、柳が32年を経て、初めて国際的な評価を得たイタリアにおいて最大規模で行われる個展となる。
ピレリ・ハンガービコッカは、ミラノのビコッカ地区にある元工業施設を改修して設立された現代アートセンターであり、広大な展示スペースを誇る。とくに、展示空間「ナヴァテ(Navate)」は、天井高約30メートル、幅30~60メートル、総面積5600平米にわたる広大な空間であり、これを活かして柳は壮大なインスタレーションを展開する。またこのスペースは、アンゼルム・キーファーなどの大型インスタレーションが常設されており、定期的に大規模な企画展が開催される場でもある。
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Courtesy the artist and Pirelli HangarBicocca, Milan. Photo Lorenzo Palmieri