2017.9.4

長島有里枝が問い続ける「家族」「女性」への違和感。東京都写真美術館で個展開催

東京都写真美術館で、写真家・長島有里枝が日本の公立美術館では自身初となる個展「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」を開催。初期作品から最新作までを一堂に展示する。会期は9月30日〜11月26日。

長島有里枝 Self-Portrait (Brother #34) 1993 東京都写真美術館蔵
前へ
次へ

 長島有里枝は1973年東京都生まれ。武蔵野美術大学在学中の93年、家族とヌードで撮影したセルフ・ポートレートで「アーバナート#2」展パルコ賞を受賞し、注目を集める。2001年には、写真集『PASTIME PARADISE』で第26回木村伊兵衛写真賞を受賞。近年では、10年にエッセイ集『背中の記憶』で第26回講談社エッセイ賞を受賞するなど、写真以外にも活動の幅を広げている。

長島有里枝 《わたしたちの部屋(朝)》〈SWISS〉より 2007 東京都写真美術館蔵

 本展では、初期を代表するセルフ・ポートレートのシリーズから、作家の祖母が撮影した古い写真に着想を得て、スイスのアーティスト・イン・レジデンスで制作された「SWISS」(2007)、女性のライフコースをテーマに作家が母とともに制作した新作「家族について/about home」(2016)などのシリーズを展示。

 デビュー以来24年間、社会における「家族」や「女性」のあり方への違和感を作品で問い続けてきた長島の歩みを総覧するとともに、パーソナルかつポリティカルな視点にもとづく写真表現の可能性を探る。

長島有里枝 Tank Girl 1994