真鍋⼤度と清⽔憲⼀郎によるMVがアルス・エレクトロニカ賞2020のコンピューターアニメーション部⾨の栄誉賞を受賞
アーティスト・真鍋⼤度と映像ディレクター・清⽔憲⼀郎の手がけるスクエアプッシャーのMV「Terminal Slam」がアルス・エレクトロニカ賞2020のコンピューターアニメーション部⾨の栄誉賞を受賞した。
オーストリアのリンツで開催される、芸術・先端技術の世界的イベント「アルス・エレクトロニカ」が、アルス・エレクトロニカ賞2020を発表した。過去1年においてメディアアートに⾰新をもたらした⼈物や作品・プロジェクトを表彰する同賞。そのコンピューターアニメーション部⾨の栄誉賞に、アーティスト・真鍋⼤度と映像ディレクター・清⽔憲⼀郎が手がけたスクエアプッシャーのMV「Terminal Slam」が選ばれた。
「Terminal Slam」は、現実空間の物体を認識してデジタル情報を重ねることのできるMRグラスをかけて街中を歩くと、AIが認識した広告や⼈物が⾳に合わせて変化していく様⼦を描いたもの。同作品について真鍋は以下のように解説する。「スクエアプッシャーとの対話のなかで広告のあり⽅や未来の広告について考える機会があったのだが、Diminished Reality(減損現実)技術を⽤いて街中の広告を削除出来たらおもしろいのではというアイデアを思いついて、それを今回のMVの発想の原点とした」。
真鍋はこれまでにアルス・エレクトロニカ賞で準グランプリや栄誉賞を4度受賞しており、今回の受賞は2016年にノサッジ・シングのMV「Cold Stares ft. Chance The Rapper + The OʼMyʼs」で準グランプリを受賞して以来4年ぶり、5度目の受賞となる。清水にとっては初の受賞となった。
受賞を受けて真鍋は以下のようにコメントしている。「アルスのようにアウトプットだけでなくコンセプトも重要視される場所で本作品を評価してもらえたことをスタッフ⼀同喜んでいる。今後は本MV のアイディアを元にAR・MR 技術を開発する企業と協業し、新たなコンテンツをリリースすることを予定しているので、楽しみにしていてほしい」。
また、清⽔は以下のように受賞の喜びを述べている。「スクエアプッシャーのMVとして楽しんでもらえるよう、楽曲の盛り上がりに合わせて、映像の配分や背景の使い⽅など、躍動感にこだわった。『街の広告』という⽇常にある光景が、社会的テーマを持った映像になっていく過程は、とても刺激的だった。このような名誉ある賞をいただいたことを⼤変光栄に思う」。
なお、今年度のほかの受賞者や受賞作品の詳細についてはアルス・エレクトロニカ賞のオフィシャルサイトに掲載されている。