「旧神奈川県立近代美術館 鎌倉」が重要文化財に指定へ。日本モダニズム建築の代表作
ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三が設計した「旧神奈川県立近代美術館 鎌倉」が、重要文化財に指定されることとなった。
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ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三が設計し、2019年に「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」としてリニューアルオープンした「旧神奈川県立近代美術館 鎌倉」が、重要文化財に指定されることとなった。
同館は、1951年に鶴岡八幡宮敷地内に日本初の公立近代美術館として誕生したもの。明快な動線によって室内外を流動的に結びつけ、鉄骨造で実現した建築物では、壁面パネルや大谷石積みがプレーンな面で構成されており、窓や階段、列柱群が支える「ピロティ」などの要素で構成的な意匠を展開し、開放的で豊かな空間を実現している。
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平家池をのぞみ、池に迫りだすように建つ同館は、まるで池の上に浮かんでいるかのような存在。古都鎌倉の歴史と自然に調和した建物は、国内はもとより世界的にも日本のモダニズム建築を代表する名建築として高い評価を得ている。
また同館に加え、承応3年(1654)に徳川家綱によって京都市街の中心部に建立された「八坂神社本殿」が国宝に、千葉県銚子市にある北太平洋航路のための最初の灯台「犬吠埼灯台」や、ルネサンス様式を基調とした「旧札幌控訴院庁舎」、都心の広大な社叢に鎮まる近代の神社建築群としての「明治神宮」など、17件の建造物が重要文化財に指定される。
これらの建造物は、官報告示を経て正式に指定予定。これにより、建造物としての国宝・重要文化財は2523件(5241棟)となり、そのうち国宝は228件(291棟)となる。