品川の旧原美術館、解体工事へ
品川にある旧原美術館の建物が5月24日から解体工事に入ることがわかった。
今年1月に惜しまれつつ活動を終えた東京・品川の旧原美術館。その建物が解体工事に入ることがわかった。
同館は、原俊夫(原美術館を運営するアルカンシェール美術財団理事長)の祖父にあたる実業家・原邦造の私邸を美術館として利用したもので、1979年に開館。しかしながら建物としての歴史はさらに古く、原邸自体は1938年に竣工した。
設計は東京国立博物館本館や銀座の和光本館などを手がけた渡辺仁で、白く平面的な壁やガラス窓、鉄格子などを取り入れたモダニズム建築として2003年にはDOCOMOMO(モダン・ムーブメントに関わる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織)にも認定されるなど、名建築として評価されている。
しかしながら、同館は老朽化を理由に1月で活動を終了。群馬県渋川市のハラ ミュージアム アークと統合するかたちで、今年4月に「原美術館ARC」として活動を再スタート。あわせて旧原美術館に常設されていた作品も群馬へと移された。
今回の解体工事の期間は5月24日から9月17日までで、工事対象は美術館とそれに隣接する旧原邸。
建物が解体されるだけなのか、あるいは一部でも移築されるのかに注目が集まるが、工事発注者である日本土地山林株式会社は「コメントは差し控える」としている。