弘前れんが倉庫美術館、「フランス国外建築賞」のグランプリを受賞
昨年、青森県弘前市に開館した弘前れんが倉庫美術館が「フランス国外建築賞(AFEX Grand Prix 2021)」のグランプリを受賞した。
昨年7月、青森県弘前市に開館した「弘前れんが倉庫美術館」が、フランスの権威ある建築賞「フランス国外建築賞(AFEX Grand Prix 2021)」のグランプリを受賞した。
弘前れんが倉庫美術館は、フランスを拠点とする田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が日本で初めて手がけた現代美術館。明治・大正期に建設された近代産業遺産である吉野町煉瓦倉庫を改修・整備して誕生したもので、「記憶の継承」をコンセプトに、煉瓦建造物の耐震性を高めつつ、現存するものを可能な限り残した。開放的な建築空間と、シードル・ゴールドに輝く屋根が特徴的な美術館だ。
同館が受賞した「フランス国外建築賞」はフランスの建築家による国外での活動を称えるフランス文化庁認定の賞で、2010年以来2年ごとに開催。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の開会式でグランプリ受賞者を発表しており、これまでドミニク・ペロー(2010)やクリスチャン・ド・ポルザンパルク(2014)などが受賞している。
本年度の最終選考には11組がノミネート。次のような受賞理由が発表されている。「弘前の街・⼈々と共におよそ100 年の歴史を刻んできた煉⽡倉庫の記憶のアルバムを⼀枚⼀枚めくり返すようだった。コンセプトである<記憶の継承>というシンプルな建築デザイン、シードル・ゴールドの屋根、煉⽡の補修修繕の⾼度な技術など、深い感動があった」。
Atlier Tsuyoshi Tane Architectsとしては初の国際的な建築賞の受賞となった。