パブリック・アートの制作に約27億円の助成金。ニューヨーク市の「City Artist Corps」プログラムとは?
ニューヨーク市文化局は、パブリック・アートの制作を支援するため、「City Artist Corps」を通して2500万ドル(約27億円)を拠出する。
新型コロナウイルスの影響を受けた地元のアーティストを支援し、パブリック・アートの制作を促すため、ニューヨーク市文化局は今年5月に「City Artist Corps」プログラムを立ち上げた。
2500万ドル(約27億円)という規模のこのプログラム。そのうち、ニューヨーク芸術財団による助成プログラム「City Artist Corps Grants」では、ニューヨーク市の5つの行政区在住の3000人以上のアーティストに、それぞれ5000ドル(約55万円)の助成金を支給。アート、壁画、音楽、ダンス、演劇、パフォーマンス、映画などあらゆる分野で活動するアーティストが応募できる。
いっぽうの「City Canvas」プログラムは、ニューヨーク市住宅局と非営利団体「ArtBridge」が60名のアーティストに市内の公営住宅の歩道の上屋や工事用フェンスに設置する一時的な壁画などの作品をコミッションするもの。
また「Summer Rising Mural and Performing Arts Partnerships」では、ニューヨーク市教育省が200以上の学校の400人以上のアーティストと協力し、地元の学校の生徒たちに夏のプログラムを充実させるための壁画の共同制作や舞台芸術活動を提供する。
これらのプログラムに加え、さらなるプロジェクトは今夏以降に発表予定だ。「City Artist Corps」について、ニューヨーク市長のビル・デブラシオは声明文で次のようにコメントしている。「アートとアーティストは、ニューヨークを世界の文化の中心地にしている。また、アーティストコミュニティは、私たち全員のための復興を築くうえで不可欠な役割を担っている。『City Artist Corps』は、ニューヨーカーの無限の創造性という最大の資源を活用し、雇用を創出し、私たちの街をこれまで以上に美しく、活気あるものにするだろう」。