NFTが生んだデジタル・アート売買の新たな生態系を探る。『美術手帖』12月号の特集は「NFTアートってなんなんだ?!」
『美術手帖』12月号の特集は「NFTアートってなんなんだ?!」。NFT元年とも言える本年、コピー可能なデジタル・アートがなぜ高値で売れるのか。その仕組みを解き明かす。
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デジタルデータの唯一性を担保し、半永久的に残り続ける(と言われる)デジタル資産「NFT(非代替性トークン)」。この技術基盤の誕生によって、従来コピー可能であったデジタルデータにも価値がつき、仮想通貨により売買が可能になった。2021年は、NFT元年ともいえる年で、NFTを活用したデジタル・アートは驚くような高値で取り引きされ、大企業がNFTを活用した様々なサービスやコンテンツを生み出し、いまもなおNFT市場は活況を呈している。本特集では、そのNFTを活用したデジタル・アート=NFTアートと、それを支えるコミュニティの実態を取りあげる。
イントロダクションでは、NFTアートの基礎知識、その始まりと歴史、そして2021年3月から9月までのあいだに起きたNFT×アートの事件簿を掲載。「基礎知識」では、いまさら聞けないNFTアートの基礎の基礎を、8歳のNFTアーティスト・Zombie Zoo Keeperのイラストに乗せてやさしく解説。またNFTアートのはじまりから現在に至るまでの歴史を、NFTアートのご意見番でコレクターでもあるジェイソン・ベイリーが語る。
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Part1は「NFTがつくる新たなアートの生態系」と題し、今年の8月に発売し、2時間で1万点を完売し話題を読んだ「Generativemasks」について、制作者である高尾俊介のインタビューをはじめ、国内外のNFTアーティスト、コレクターへのインタビューを掲載。
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国内外で乱立するマーケットプレイスの比較記事では、それぞれのプラットフォームの特徴、選ぶときの基準などを解説。また、NFTアートの買い方や売り方を知るための「How to」記事、そしてアートと法を専門とする弁護士による所有・展示のための法律的課題などを掲載。既存の美術業界に比べて、より直接的でオープンなNFTアートを支えるアーティストやコレクター、それらのコミュニティの実態がわかる内容になっている。
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Part2では「アート×NFTのルール設計とその未来」と題し、NFTに積極的に取り組むメディア・アートの先駆者たち、現代美術作家によるNFTを利用した作品、メガギャラリーのNFTアートを使ったコレクター開拓の戦略などを紹介する。
ネットアートで有名なラファエル・ローゼンダールのNFTアートへの取り組み、ライゾマティクス/真鍋大度が立ち上げたNFTアートのプラットフォーム、そして現代美術のメガギャラリーであるペースのNFT戦略など、それぞれにNFTへの考え方や関わり方を聞いた。
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また最後には、1990年代のネットアートの黎明期から活動を続けるアーティスト・エキソニモと真鍋大度と高尾俊介による座談会を掲載。デジタル・アート販売の歴史からみた、NFTアートのポジティブな側面と未成熟な面、NFTアートのコミュニティの独自性や可能性、日本国内と海外の反応の違いなどを語り尽くす。
NFTアートのブームは一過性のものなのか? デジタル・アート販売における新たな技術基盤は、既存のアート界をどのように変革するのか。「NFT×アート」でいま起きていることを分析し、これからの展開を予想する1冊となっている。