大阪府、地下駐車場保管の作品に直接ステッカー。専門家が調査
大阪府が「大阪府20世紀美術コレクション」として所蔵する美術作品の一部を咲洲庁舎地下3階駐車場に保管していた問題で、府は中間報告を発表した。
昨年発覚した、大阪府が「大阪府20世紀美術コレクション」として所蔵する美術作品の一部を咲洲庁舎地下3階駐車場に保管していた問題。これについて、大阪府が「アート作品の活用・保全に向けた中間報告」を取りまとめた。
駐車場に保管されていたのは、約7900点に上る「大阪府20世紀美術コレクション」のうち、鉄製の大型立体作品など105点。黒川弘毅(武蔵野美術大学 名誉教授)と山崎哲郎(彫刻家)による調査で明らかになったのは、ずさんな管理体制だった。
資料によると、どの作品にも複数の種類の粘着テープ・ステッカーが目立つ位置に直接貼り付けられており、剥がすと粘着剤が付着する状態。また錆も発生していた。この錆は外気吹き出しダクトの位置と関係しており、作品を2017年に咲洲庁舎10階から地下3階に移動させたタイミングで急激に進行したと考えられるという。地下駐車場の湿度・気温は作品にとっては不適切で、外気温湿度の変動が直ちに影響する状態だとしている。
これらの作品の今後について、府は令和6年度末までに安定して保管できる場所を確保し、より詳細な管理個票を作成するとしている。なお最終報告は令和5年度中に取りまとめられる。