Tokyo Gendaiが保税資格を取得。海外からの参入促す
今年7月7日〜9日の会期で予定されているアートフェア「Tokyo Gendai」が、保税資格の取得を明らかにした。これにより、海外からの出展者は関税等を留保したかたちでの美術品持ち込み・展示が可能となる。
今年7月7日〜9日の会期で予定されているアートフェア「Tokyo Gendai」が、保税資格を取得したと発表した。
日本国外にある作品を日本のアートフェアで出品する場合、従来は作品ごとに輸入通関時に課税されるため、出展者(ギャラリー)には大きな負担となり、参入障壁となってきた。
例えばメガギャラリー「ペース」の社長兼最高経営責任者であるマーク・グリムシャーは、美術手帖の過去の取材において、「日本には、国際的なビジネスを機能させるための多くの官僚的な妨害がある」としつつ、税金だけでなく、作品輸入の際の煩雑な事務手続きも海外のギャラリーを尻込みさせてしまうと懸念を示している。近年、アジアのマーケットで勢いを増す韓国は、こうした美術品にかかる付加価値税や輸入税がなく、国際的なギャラリーやフェアが参入する大きな動機となっているのが現状だ。
その点で、今回の保税資格取得は大きな転機となるかもしれない。これにより、Tokyo Gendaiのフェア開催期間中は会場であるパシフィコ横浜が「保税展示場」となり、海外からの出展者は関税等を留保したかたちで美術品を持ち込み、展示することが可能となる。
この保税措置については、規制改革担当大臣時代に規制緩和を行った河野太郎大臣が次のようにコメントを寄せ、その意義を強調している。「当初の目的であった海外基準のアートフェアの開催と世界のアートギャラリーの日本進出を後押しできたことは、なによりも喜ばしいことです。是非各国のアート愛好者の皆様にフェア、そして日本にお越しいただけることを期待するとともに、横浜・東京のみならず、日本各地へも足を運んでいただきたく思っております」。
いっぽう、Tokyo Gendaiのコ・ファウンダーであるマグナス・レンフリューは保税展示場でのフェア開催について、「海外からの出展ギャラリーにとってまたとない機会であるのみならず、当フェアが今年の開催を皮切りに世界のアート関係者の日本進出を支援していくことを意味します」としつつ、「Tokyo Gendai は、引き続きグローバルアートシーンにおける日本の国際的プレゼンス向上を見据えた国内外関係者による活発な交流の創出と国内アート市場のさらなる発展に寄与していきます」と、強い意気込みを見せている。
Tokyo Gendaiは日本内外の主要なギャラリーが集結する「Galleries」のほか、テーマに沿った作品を展示する「Hana(花)」「Eda(枝)」「Tane(種)」の計4つのセクションで構成。40以上の海外ギャラリーが出展する国際的なアートフェアとなる。
*一部文言を修正しました。