2024.5.28

Paris+ par Art Baselが「アート・バーゼル・パリ」に改称。「バーゼル」ブランド強化へ

2022年からパリで開催されているアートフェア「Paris+ par Art Basel」が、今年「アート・バーゼル・パリ」と改称。会場も3年にわたる改修工事を終えたグラン・パレへと移転する。

グラン・パレ、2023年10月 Photography by Aliki Christoforou for Art Basel. Courtesy of Art Basel
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 2022年からアート・バーゼルによってパリの仮設会場グランパレ・エフェメールで開催されてきたアートフェア「Paris+ par Art Basel」。今年、同フェアが「アート・バーゼル・パリ」と改称し、3年にわたる改修工事を終えたグラン・パレで初めて開催される。

 10月18日〜20日の会期(16日と17日はVIPプレビュー)で開催される今年のフェア。フランスに拠点を持つ64のギャラリーを含む42の国と地域から194のギャラリーが集まり、日本からはタカ・イシイギャラリーMISAKO & ROSENTake NinagawaKAYOKOYUKIの4ギャラリーが参加する。

グラン・パレ、2024年5月 Photography by Matthieu Croizier for Art Basel. Courtesy of Art Basel

 今回の改称について、アート・バーゼルは声明文で「この決定は、フランス文化省、パリ市、グラン・パレRMN、パリのギャラリーなど、アート・バーゼルの地元パートナーや関係者との広範な協議を経て、フランスのラシダ・ダティ文化大臣と合意したものだ」としつつ、次のような期待を寄せている。

 「この新しい名称により、アート・バーゼルはパリとそのダイナミックな文化エコシステムへのコミットメントを強化し、世界的なアート・バーゼル・ブランドの影響力を活用することで、パリの見本市をさらに強化し、その意欲を強調し、パリと世界における共鳴を増幅させる」。

グラン・パレ内の様子、エスカリエ・ドヌールの3Dイメージ © Chatillon Architectes for GrandPalaisRmn, 2022

 今年のフェアは、3つのセクターによって構成される。メインセクターとなる「Galeries」と新進のギャラリーやアーティストを紹介する「Emergence」に加え、1900年以前に制作された作品を含む、キュレーション展を行う9つのギャラリーが参加する「Premise」セクターが新設される。また、10のギャラリーはブースをシェアして出展する。

 10月18日〜19日には、メインセクターの出展ギャラリーが「Oh La La!」という新たなプログラムに参加できる。これは、出展ギャラリーがブースで普段展示しない作品を紹介するという取り組みで、「アート・バーゼル・パリの会場を遊び心あふれる旅程に仕立て、会期後半を盛り上げる」ことを目指しているという。

グラン・パレ、2023年10月 Photography by Aliki Christoforou for Art Basel. Courtesy of Art Basel

 さらに、同フェアはパリ市や地元の文化機関と協力し、様々なパブリック・プログラムを実施。グラン・パレの正面に位置するプティ・パレで初めて開催される「Conversations」プログラムは、パリ在住のキュレーター、ピエール=アレクサンドル・マテオとシャルル・テイスーが3年連続でキュレーションを担当する。ほかにも、ポンピドゥー・センターやピノー・コレクションなど、パリ各地の美術館で意欲的な展覧会が予定されている。詳細は今後数ヶ月のうちに発表される。

 アート・バーゼル・パリのディレクターであるクレマン・ドゥレピーヌは、「2024年のアート・バーゼル・パリの豪華な出展者リストは、ギャラリーのためのダイナミックなプラットフォームとしてのフェアの主導的役割と、幅広い文化分野において比類のないサービスを提供する都市として、パリが世界のアートマーケットの重要な拠点であることを浮き彫りにしている」とし、「ギャラリスト、アーティスト、コレクター、機関関係者、アートファンをお迎えできることを楽しみにしている」との期待を語っている。