書道のビエンナーレが台湾・横山書法芸術館で開催。テーマは「法と無法が交じる時代」
台湾の桃園市立美術館のひとつである横山書法芸術館が、「2023年横山書道ビエンナーレ:法と無法が交じる時代-書はある視覚の形式として」を開催する。このビエンナーレは、過去と未来、東洋と西洋における書道表現を通して、現代書道芸術の未来と可能性を探る試み。会期は1月20日〜4月24日。
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日本の「山本理顕設計工場」と台湾の「石昭永建築師事務所」の共同建築で期待される台湾の桃園市立美術館が、来年に開館する予定だ。2021年にオープンしたその分館のひとつである横山書法芸術館で、2023年1月20日から4月24日にかけて、「2023年横山書道ビエンナーレ:法と無法が交じる時代-書はある視覚の形式として」が開催される。
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書道の発展に焦点を当て、近現代美術における書道のあり方への思考を促し、書道の未来に対する想像力を豊かにすることを狙いとする横山書道ビエンナーレ。
第1回目の開催となる今回は、東海大学美術学部助教授・呉超然と桃園市立美術館ディレクター・陳俋佐が共同で企画。展示タイトルにもある「法と無法が交じる時代-書はある視覚の形式として」というテーマに基づき、会場には、平面作品、映像、インスタレーションといった多様な作品が並ぶ。
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画像提供=桃園市立美術館
多様性と躍動感溢れる表現を手がけた参加作家42名は、時代や活動地域も様々。作品を通して、いかに西洋の抽象芸術と書道が刺激し合い、お互い何を学びとってきたのか感じられるという。
台湾からの出展作品は、狂草体・横書きによる卜茲『瓦屋隨意綠』や、李君毅が筆そのものから離れて創作した『山不厭高』など。中国・香港からは、馮明秋の『光字心経』、許静がフランス旅行中に購入したアンティーク版画に小さく優雅な行書で描いた『小窗幽記』などが展示される。
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日本作家の出展作品では、前世紀の前衛書家・井上有一の流れを汲み、個性的な言葉で古典の継承を力強く示した山本尚志の『ゲーム』、川尾朋子が本展の記者会見の場で書道芸術の「法と無法」を探るという本展のテーマに呼応して制作した『変/不変』など。
さらに、韓国の書道家・朴鎮雨の新作『墨塔』や、フランスの著名な漢学者・柯迺柏(André KNEIB)が西洋の絵具を用いて創作した書道芸術も会場に並ぶという。
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出展作家一覧は、以下の通り。卜茲、小魚、山本尚志、川尾朋子、井上有一、王公懿、王鈺権、付暁東、加藤堆繋、石晉華、朴鎮雨(PARK Jinwoo)、亨利米肖(Henry MICHAUX)、何懐碩、呉季璁、李君毅、李明昌、李茂成、李義弘、杜三鑫、於同生、林俊臣、南岳杲雲(NANGAKU Koun)、柯迺柏(André KNEIB)、唐家偉、張天健、張舜翔、許雨仁、許炯、許静、陳丹青、傅瑩瑩、馮明秋、黄一鳴、楊世芝、楊平、万美、漢斯哈同(Hans HARTUNG)、劉国松、劉懿、潘信華、鄧君浩、蕭一凡。
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また、桃美館では桃園の地元のアート空間と共同でコラテラル・イベント(関連イベント)を開催し、桃園のアート空間が外部とつながることを促進。そのほか、会期中には特別講演会などの教育普及イベントも予定されているという。
既存の近現代芸術作品とともに、会場作品の半数以上を占める新作が楽しめる今回のビエンナーレ。書道表現に見る東洋・西洋の芸術の融合や歴史、多様なインスピレーションから、書道芸術の未来と可能性を展望する機会となることだろう。
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