2025.3.18

長岡造形大学が開学30周年。新棟完成で教育・研究設備が充実

1994年開学の長岡造形大学が、先端テクノロジー設備を備えた新棟を完成。開学30周年を迎え、より魅力あふれるキャンパスへと進化を見せた。

長岡造形大学の新たなシンボル「第4アトリエ棟」
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 「造形を通して真の人間的豊かさを探求し、これを社会に還元することのできる創造力を備えた人材を養成する」ことを理念に掲げ、1994年に開学した新潟の長岡造形大学。同大は2014年に公立大学へ移行したデザインの大学で、造形学部3学科(デザイン学科、美術・工芸学科、建築・環境デザイン学科)と大学院造形研究科で構成され、約1000人の学生が学んでいる。

 同大が、2023年に新たな学科体制・カリキュラムをスタートさせ、昨年開学30周年を迎えたのを機に、「新棟」(第4アトリエ棟)を完成させた。

1年生学部共通の授業「発想・着想演習」
学生と教職員、地域の方と楽しむ大学祭
長岡の四季とランドスケープを臨むレストラン

 緑豊かなキャンパスのなかに生まれたこの新棟のコンセプトは「創造の杜」。“豊かな生態系を育む 地域に開かれた杜のキャンパス”だ。

 柔らかな曲線を描く屋根が特徴の新棟は地上2階建てで、ランドスケープに溶け込むデザインが特徴。

 春・秋には積極的に自然換気を利用し、空調によるエネルギー負荷の低減をはかるとともに、日射シミュレーションでデザインされた大屋根や窓の配置などで日射遮蔽対策を行うことで、高い断熱性能を実現。また中庭空間から光を取り入れるとともに、明るさセンサーを併用するなど、現代におけるその土地に適した、環境負荷の低い建築となっている。

長岡造形大学キャンパス。独特のリズムで配置された校舎群
「創造の杜」を体現する新棟
夕暮れから存在感が高まる新棟
既存棟から続く光のアプローチ
杜の緑と室内空間が一体となり創造性を向上させる

 新棟は学びの領域を横断し、多様な創造とコミュニケーションがクロスする施設・設備を備えている点も大きな特徴だ。

 内部には、ものづくりの幅を広げる最新デジタルファブリケーション機器が充実するプロトタイピングルーム、イマーシブ映像空間や様々な映像制作に対応する映像スタジオ、高度なオーディオ録音や映像編集を行うオーディオスタジオ・映像編集室、そしてコミュニケーションの拠点となるメインホールなどを完備。授業や学生の自主制作などで施設の使用が始まり、学生は大きな刺激を受け、デザイン制作の可能性を広げているようだ。長岡造形大学のこれからの教育・研究の拠点となることが期待される。

映像の基礎から応用までを授業で学ぶ
コンクリートやアスファルト、水や土など、様々な種類の音の録音が可能なオーディオスタジオ
試行錯誤しながらものづくりに打ち込む
1・2階のにぎわいが伝わる吹き抜け空間
様々なシーンが混在し、相互のコミュニケーションをうながす

 なお、昨年11月には開学30周年を記念してキャンパスイベントを実施。校舎を彩る光の演出やImmersive Cube Live、Immersive Cube Theater、ポスター展、隈研吾客員教授講演会、デザイン大運動会(学生企画)などの催しが行われ、地元市民をはじめ、2500人を超える人々が来場したという。

 今後、6月15日(日)にはオンライン型オープンキャンパス、7月26日(土)、27日(日)には来場型オープンキャンパスを実施予定だ。この新たな学びの拠点に興味を持った方は、ぜひ足を運んでみてほしい。

映像表現を拡張し、新たな体験を生み出す映像スタジオ
校舎を彩る光の演出
5 INTERNATIONAL POSTER DESIGNERS
世代を超えて、地域とともに歩む