テーマは「夜の旅、昼の夢」。「六本木アートナイト2019」の見どころは?
六本木の街を舞台に繰り広げられる、一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト」。今年は5月25日、26日の2日間にわたり、六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、21_21DESIGN SIGHTなど各所で多彩なプログラムが開催される。その気になる見どころは?
アーティストたちの饗宴が六本木の街を彩る、一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト」。今年は「夜の街、昼の夢」をテーマに、メイン・アーティストの崔正化(チェ・ジョンファ)をはじめ、様々なアーティストが多彩なプログラムを展開する。
ひときわ目を引くのは、ジョンファによる果物や野菜のカラフルなバルーン彫刻《フルーツ・ツリー》だ。フルーツには実際に触れることができ、夜にはライトが点灯して違った雰囲気を見せる。今回ジョンファはそのほかにも、持ち寄ったプラスチック製品などを組み立てる一般参加型のプロジェクト《みんなで集めよう》を国立新美術館で、約1万個のバルーンが空間を埋め尽くす《ライフ・ライフ》を東京ミッドタウンで展開する。
プレビューに登壇したジョンファは自身の作品について、「アートは難しいことじゃない。ぜひ作品と記念撮影をして、この体験を持って帰ってくれたら嬉しいです」と語る。いっぽう、六本木アートナイト実行委員長で森美術館館長の南條史生は「今回はメイン・アーティストとして初めて、海外の作家であるジョンファさんに参加していただきました。作品の数、スケールともに充実したものになったので、ぜひ多くの方に来ていただければ」とコメント。
六本木ヒルズ内では、セドリック・ル・ボルニュによる鳥のオブジェ《欲望と脅威》や、西原尚による巨大な竹の楽器《おひまち》に注目したい。《おひまち》は田植えや稲刈りが終わった後に、日の出を待ちながら宴を行う日本各地の祭りに由来する作品。会期中には、その美しい音色を聞くことができるだろう。
また、北野武や草間彌生らのオリジナル風呂敷を展示する「FUROSHIKI TOKYO展」や、さわひらき、ジョシュア・オコン、トロマラマによる映像作品など、六本木ヒルズ周辺には見逃せない作品が目白押しだ。
加えて東京ミッドタウンでは、18年8月に大学医学部の一般入試で女子受験者の得点を一律減点し、合格者数を抑えていたというニュースに端を発するスプツニ子!+西澤知美による《東京減点女子医大》のほか、ビジュアルデザインスタジオ・WOWによる映像作品《motion texture 02》などの作品が展示。
そして、カート・パーシキーによる《レッドボール・プロジェクト》は、24日〜26日にかけて21_21 DESIGN SIGHTからけやき坂までを移動。また、会期中のマクドナルド 六本木ヒルズ店では、店内で実際に難民や移民による講義を注文し、店内で聴くことができる高山明/Port Bによる「マクドナルドラジオ大学」が実施されている。
このほかにも「オープン・コールプログラム」として公募で選ばれた作品やパフォーマンスが展開されるほか、上映やワークショップなどのプログラムが多数開催。詳細は公式ウェブサイトやをチェックしてほしい。