空山基とH・R・ギーガーが共演。「H.R.GIGER×SORAYAMA」展が渋谷パルコでスタート
映画『エイリアン』のクリーチャーデザイナーとして知られるハンス・リューディ・ギーガーと、「セクシーロボット」シリーズで知られる現代アーティスト・空山基のふたり展「H.R.GIGER×SORAYAMA」が、渋谷パルコ4階のPARCO MUSEUM TOKYOでスタート。その見どころをレポートでお届けする。
スイス出身の画家、イラストレーター、造形作家で、映画『エイリアン』のクリーチャーデザイナーとして知られるハンス・リューディ・ギーガー(H・R・ギーガー、1940~2014)。そのギーガーと「セクシーロボット」シリーズで知られる現代アーティスト・空山基のふたり展「H.R.GIGER×SORAYAMA」が、渋谷パルコ4階のPARCO MUSEUM TOKYOでスタートした。会期は2021年1月11日まで。
本展は、渋谷のアートギャラリー・NANZUKAディレクションのもと、キュレーターに雑誌『KALEIDOSCOPE』クリエイティブディレクターのアレッシオ・アスカリを迎えて開催。ギーガーが制作した「エイリアン」シリーズや空山による「セクシーロボット」シリーズの絵画と彫刻を中心に、約60点の作品を展示している。
会場入口では、ギーガーの彫刻作品《Necronom》(2005)が大きな存在感を示す。映画『エイリアン』に登場したクリーチャーはうつぶせる姿勢をとっており、骸骨や男性器の形状をした頭部、槍の穂先のように鋭利な形状をした尾は金属のような光沢を放っている。
この作品と対比して見てほしいのは、その反対側に展示されている空山の《AIBO》(1999)だ。「AIBO」は、1999年にソニーが発売した世界初の家庭用エンターテインメントロボットで、空山はその初代デザインを手がけた。シルバーメタリックの未来的な犬型ロボットは、エイリアンとは同じような姿勢をしているものの、それが見せた表情はまったく違うだろう。
こうしたふたりの作品に共通している部分を見せつつ、それぞれの作品にある独自の特徴を示すのが、本展の大きな醍醐味だ。
そのほか、空山による様々な姿勢を示したセクシーロボットの原画や彫刻と、ギーガーがデザインした生体機械的な生物を表現した作品が交互に展示。それらの作品の共通点を比較しながら、それぞれが持っている個性をじっくり見てほしい。
また会場では、生前ギーガー本人が製作したBE@RBRICKをベースに製作されたMEDICOM TOYの「BE@RBRICK H.R.GIGER 100% & 400% /1000% WHITE CHROME Ver. / BLACK CHROME Ver.」や、『KALEIDOSCOPE』の記念書籍も発売。
なお、同館2階のショップ「2G TOKYO」での展示(12月26日〜)や、8階のホワイトシネクイントでは映画『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』(12月25日〜2021年1月14日)のリバイバル上映も行われているので、本展にあわせてギーガーと空山の世界を堪能してほしい。