香港アートシーンの新星。キラ・チェンとは何者か?
香港出身の新進気鋭アーティスト、キラ・チェン(Kila Cheung)の日本初個展「大人未満(Best Before)」が、東京・神宮前のJPSギャラリー東京でスタートした。日本初公開となる絵画、ドローイング、彫刻作品などの新作を中心に計71点の作品が展示されている。会期は11月21日まで。
香港の新進気鋭のアーティスト、キラ・チェン(Kila Cheung)の日本初個展「大人未満(Best Before)」が、東京・神宮前にあるJPSギャラリー東京で開幕した。会期は11月21日まで。
キラは1986年香港生まれ。2017年、インターシップのために来日し、木彫のシリーズ「Home」の制作を開始。これまで「ヤング・タレント・デザイン賞」や「Hong Kong Publishing Biennial Awards」を受賞し、ユニクロ、IKEA、キールズ、キャセイパシフィック航空、プルデンシャルなどの国際的なブランドとコラボレーションを行ってきた。
その作品には、子供らしさや好奇心、既成概念にとらわれない勇気、そして大きな夢などの価値観が表現されており、感傷的でありつつ、若々しい反抗心も感じさせる。奈良美智は、キラは「表層ではなく、自分のスピリットを継承してくれる作家だ」と高く評価している。
会場のJPSギャラリーは、2014年に香港で設立されたギャラリー。現在、香港と東京のスペースや国際的なアートフェアで世界中の若手アーティストの作品を中心に紹介している。
本展では、日本初公開となる絵画、ドローイング、彫刻作品などの新作を中心に計71点の作品を展示。展覧会のタイトルである「大人未満」は、キラが現在の人生のなかで「もはや若者ではなく、同時にまだ大人でもない段階にいること」を示している。新作群は、こうした精神的な変化の過程を反映するものだ。
JPSギャラリー東京のディレクターであるサム・ユーは、本展についてこう語る。「当ギャラリーでは、これまでキラが参加したグループ展を2〜3回行ったが、日本での個展は今回が初めてだ。彼はこの2年間で新しいスタイルを進化させており、その最新の展開をぜひ会場で確認してほしい」。