EXHIBITIONS

金沢21世紀美術館と国立工芸館の所蔵作品によるコラボレーション展

「ひとがた」をめぐる造形

2022.07.23 - 09.11

北川宏人 TU07005-スキンヘッド 2007 国立工芸館蔵 撮影=斎城卓

中村信喬 遥かなるローマ 2018 国立工芸館蔵 撮影=エス・アンド・ティ フォト

アクセル・ローマン・ルーカス 無題 2001 国立工芸館蔵 撮影=アローアートワークス

グレイソン・ペリー 何がいやなのか? 2006 金沢21世紀美術館蔵 撮影=末正真礼生

グレイソン・ペリー 敏感な子供の苦境 2003 金沢21世紀美術館蔵 撮影=末正真礼生

グレイソン・ペリー 敏感な子供の苦境(部分) 2003 金沢21世紀美術館蔵 撮影=末正真礼生

北川宏人(参考画像) 左より、《ニュータイプ2005―ワンピース》《ニュータイプ2005―ブルー》《ニュータイプ2005―グリーン》《ニュータイプ2005―ホワイト》(撮影=福永一夫、すべて2005、金沢21世紀美術館蔵)

中村信喬(参考画像) 左より、《輝く海》(2010)、《羅馬聖光》(2011)、《辺月》(2011)、《大聖堂》(2012)、《聖堂》(2011)(撮影=渡邉修、すべて金沢21世紀美術館蔵)

 金沢21世紀美術館と国立工芸館の所蔵作品による初めてのコラボレーション展「『ひとがた』をめぐる造形」が開催される。

 本展は、唐澤昌宏(国立工芸館館長)をゲスト・キュレーターに迎え、人のかたちをした造形「ひとがた」を通して、「工芸」や「美術」について考える試み。金沢21世紀美術館ならではのホワイトキューブの展示室に、多様な「ひとがた」の造形が展示され、魅惑的な作品世界を創出する。

 出展作家は、現代の若者像とその内面性を、古典的彫刻技法であるテラコッタにて象徴的に表現する北川宏人、博多人形の伝統的技法を用いつつ、西洋彫刻の要素も取り入れたロマン的作風で知られる中村信喬、あらゆるメディアを通じ、鋭い批判精神とユーモアで人間の本性を描き出すイギリス出身のグレイソン・ペリー、そして、磁器特有の透明な質感によりファンタジックでありながらリアルな存在感を放つ人形表現を特徴とする、ドイツ出身のアクセル・ローマン・ルーカスら。

 両館に共通する「ひとがた」の所蔵作品から着想を得て、実現する本展。古来、国境を超えてアーティストや職人が、様々な素材や技法を探索し取り組まれてきた人体表現は、いまなお探究され続けるテーマであり、今回の展示では制作スタイルの異なる国際色豊かな現代作家4人の作品を中心として、分野や分類の別を超えた「ひとがた」の表現の本質に迫る。